1992 Fiscal Year Annual Research Report
RPデータと計量心理学データを用いた観光地魅力度分析と観光行動分析に関する研究
Project/Area Number |
04452238
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河上 省吾 名古屋大学, 工学部, 教授 (60023058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 友彦 群馬大学, 工学部, 助教授 (40135330)
佐々木 邦明 名古屋大学, 工学部, 助手 (30242837)
森川 高行 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30166392)
林 良嗣 名古屋大学, 工学部, 教授 (00133091)
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Keywords | 非補償型 / 観光行動 / 魅力度分析 / 意識データ |
Research Abstract |
本年度は観光行動分析の基礎となる、観光行動の特性に関する分析を、従来の文献や、実地調査などにより行った。その結果、観光行動は通勤・通学交通などとは異なり、補償型や集計型のモデルで表現することが非常に困難であることが判明した。具体的には、観光行動はあらかじめ決められた条件の下で発生するものや、固定された交通機関の下で発生するなど行動制約が大きく、個人の嗜好にも変動が大きいために、各個人でパラメータを共通とする、集計アプローチで把握することが困難であることが多い。そこで本研究では、以上のことを考慮できる観光行動モデルの開発に着手した。そのためには、これまで行われてきたようなデータの収集方法では、表現が難かしいことも、モデルの開発の過程で判明した。よって、今年度は、モデルの開発と、必要なデータの収集が第一目標となったのであるが、成果としては、状況制約に着目したモデルのプロトタイプがほぼ完成に近ずき、個人の嗜好を反映することができるモデルの開発もほぼめどがたった。それにともない必要とされるデータの選定も終了し、本年度後半において観光行動に関するアンケート調査を行った。本アンケートは先に開発したモデルに必要とされる、状況制約に着目した質問や、個人の嗜好を反映する質問を含むように設計されており、今後の活用が期待される。またこのデータを用いて、従来型のモデルを推定したところ、冒頭にあげたような欠点を持つことが判明し、本研究の方向性の正しさを証明した。
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[Publications] 森川 高行・村山 杏子: "DIFFUSION MODELを用いた海外観光旅行者数の予測" 土木計画学研究・講演集. 15(1). 205-210 (1992)
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[Publications] 佐々木 邦明・森川 高行: "認知的不協和と主観的評価値の離散性を考慮した潜在変数を取り入れた交通行動分析" 土木計画学研究・講演集. 15(1). 105-110 (1992)
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[Publications] SU,L, Kawakami,S.: "A Disaggregate Model System for Workers'Travel Demand Forecasting" Papers of Urban Development Research. 246-255 (1992)
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[Publications] 森川 高行 飯田 克弘 佐々木 邦明: "共分散構造モデルによる心理データの分析" 土木計画学研究・講演集. 15(2). 171-173 (1992)