定性解析と定量解析を統合した動的システムの自動解析システムに関する研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04452317
• Research Institution: Nara Institute of Science and Technology
• Principal Investigator: 西田 豊明 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (70135531)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 武田 英明 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (80252831)
• Keywords: 人工知能 / 定性推論 / 動的システム / 常微分方程式 / 知識工学 / 知的科学技術計算

Research Abstract

本研究では、常微分方程式の挙動解析を知的に制御するために定性推論が有効であることに着目し、問題に適した解析手法の選択と結合、数値計算や数式処理の立案、結果の解釈とそれに基づくプランの修正、挙動の要約など、従来人間の専門家にしかできなかった知的作業の自動化に関する研究を行なう。
平成5年度は次の成果を得た。
1.3次元の相空間上の区分線形微分方程式の挙動の大域解析アルゴリズムの設計と試作。前年度までに作成された3次元の相空間上の区分線形微分方程式の挙動の局所解析アルゴリズムを用いて得られた局所解析結果を統合して、大域的な挙動の特性を解析し、定量解析のプランを生成する大域解析アルゴリズムの設計と試作を行なった。
2.区分線形微分方程式の挙動の手法の非線形微分方程式への拡張に関する考察。3階区分線形微分方程式の挙動解析アルゴリズムを一般の非線形微分方程式に拡張するときに生じる問題の分析と考察を行ない、3次元非線形微分方程式の挙動解析システムの基本設計を行なった。
3.挙動解析システムのサブシステム間での情報交換手順の詳細設計とそれに基づく挙動解析システムのカーネルの開発。予備検討で試作した2次元相空間上の非線形微分方程式の自動解析システムと前年度開発した局所的な挙動の解析システムを分析し、サブシステム間の相互作用の分類と分析を行った。それに基づいて情報交換手順の詳細設計を行ない、大規模な挙動解析システムのプラットフォームとなり得るカーネルの設計・試作を行った。

Research Products

• [Publications] 西田豊明: "2次元相空間における常微分方程式の挙動の文法的記述" 人工知能学会誌. 8(4). 509-518 (1993)
• [Publications] Toyoaki Nishida: "Generating Quasi-symbolic Representation of Three-Dimensional Flow" Proceedings AAAI'93. 554-559 (1993)
• [Publications] Toyoaki Nishida and Hideaki Takeda: "Towards the Knowledgeable Community" Proceedings International Conference on Building and Sharing of Very-Large Scale Knowledge Bases '93. 157-166 (1993)
• [Publications] Toyoaki Nishida: "Automating Qualitative Analysis of Three-Dimensional Flow" Chaos/Nonlinear Dynamics:Methods and Commercialization. SPIE2037. 202-213 (1994)
• [Publications] 西田豊明: "協調型アーキテクチャによる知識の共有と再利用" 人工知能学会誌. 9(1). 23-28 (1994)
• [Publications] 西田豊明: "大規模知識ベース" 情報処理. 35(2). 130-139 (1994)
• [Publications] 西田豊明: "定性推論の諸相" 朝倉書店, 274 (1993)
• [Publications] 西田豊明: "北野宏明(編集)グランドチャレンジ-人工知能の大いなる挑戦 分担 知識コミュニティ" 共立出版, 215(14) (1993)