1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04453071
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河合 七雄 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60127214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 卓也 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50229556)
北浜 克煕 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20029903)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 走査トンネルスペクトロスコピー / SrTiO_3 / 超構造 / 酸素欠陥 |
Research Abstract |
時間分解光STMを行うために最も適した系の探索を行った。SrTiO3は表面光触媒反応を起こすことが知られているので、この物質の清浄表面を得る試みを行った。その結果、SrTiO3(100)表面について、超高真空中で加熱、還元することにより原子的スケールで平坦な清浄表面を得ることに成功した。またSTMによる観察から、この表面の構造は√<5>×√<5>-R26.6°の再構成表面をであることがわかった。さらに走査トンネルスペクトロスコピーを用いて、√<5>構造が酸素欠陥の規則的配列によるものであることを明かにした。光触媒反応においては、表面酸素欠陥が重要な役割を果たしている。従って、今年度の研究で酸素欠陥の配列状態をSTMを用いて直接的に画像化できたことの意義は極めて大きい。この成果を、表面吸着系の光化学反応へ応用していくステップとして、ストロンチウム原子や酸素分子など、簡単な原子分子の吸着について調べた。その結果、ストロンチウム原子は√<5>構造に沿って配列し、酸素欠陥の影響を強く受けた吸着構造をとることがわかった。また酸素分子や窒素分子を吸着させると、酸素欠陥像が消失した。この結果はこれらの分子の吸着により、欠陥準位の電子状態が局所的に変化していることを示しており、表面触媒反応の機構を考えるうえで極めて興味深い知見である。これらの研究と平行して時間分解測定のための装置開発も進めており、今後、表面反応のダイナミクスを明らかにしていく計画である。
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[Publications] T.Matsumoto: "STM-imaging of a SrTiO_3(100) surface with atomic-scale resolution" Surface Science Lett.278. 153-158 (1992)
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[Publications] H.Tanaka: "Surface Structure and Electronic Property of Reduced SrTiO_3(100) Surface Observed by STM/STS" Jpn.J.Appl.Phys.32. (1993)
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[Publications] M.Kanai: "Atomic layer control of SrCuO_x and layer-by-layer growth of Bi_2Sr_2Ca_<n-1> Cu_nO2_<n+4> (n=1 to 5) on SrTiO_3(100) by lasermolecularbeam" Jpn.J.Appl.Phys.31. 331-333 (1992)
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[Publications] Xiaomin Li: "Observation of resistive and magnetic anomalies at 90-180 K in artificially lavered Ca_<1-x>Sr_xCuO_2 thin films grown by laser molecular beam epitaxy" Jpn.J.Appl.Phys.31. 934-937 (1992)
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[Publications] T.Matsumoto: "Tunneling spectra of a Bi_2Sr_2CaCu_2O_8 single crystal with well defined Bi_2Sr_2CuO_6 artificial barrier" Physica C. 198. 273-277 (1992)
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[Publications] H.Hontsu: "a-axis oriented growth of YBa_2Cu_2O_<7-x> films on LaSrGaO_4(100) substrates" Appl.Phys.Lett.61. 1134-1136 (1992)