1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04453105
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野田 一郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 良彰 名古屋大学, 工学部, 助手 (40188066)
松下 裕秀 名古屋大学, 工学部, 講師 (60157302)
土井 正男 名古屋大学, 工学部, 教授 (70087104)
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Keywords | 相溶状態 / 非相溶状態 / 高分子混合系 / ポリスチレン / ポリビニルメチルエーテル / textured material / スケーリング則 |
Research Abstract |
平成4年度の研究計画の項目毎に研究経過を述ベる。 1)相溶状態の粘弾性:ポリスチレン/ポリビニルメチルエーテル(PS/PVME)系を用いてPVMEの分子量(約3.7万)一定の条件下で、PSの分子量を19万から126万まで、PSの分率を最高20%まで変化させてその粘弾性をメカニカルスペクトロメータRMS800で測定した。その結果、この系は終端域において高分子溶液系と同様な粘弾性を示し、準希薄系の粘度はスケーリンク則で記述でき、その分率依存性から決定した排除体積効果の指数は同様な系で中性子散乱の測定から得られている値とよい一致を示した。又、定常状態コンプライアンスJeの挙動は絶対値も含めて溶液系の結果と一致した。 2)非相溶状態の粘弾性:textured material理論の検討をするために、ほぼ同じ粘度と密度を持ち、ニュートン流体となみなせるシリコーン油と液状樹脂の1:1混合系の粘弾性を、バージョンアップしたRMS800を用いて、まず定常流動、断続流動、ずり速度を変化させる流動様式で測定した。その結果textured matarialの理論で予測されている様に、単一成分では法線応力が現れないニュートン流体を混合すると、法線応力が現れ、その値はずり速度の絶対値に比例すること、ずり速度を変化させた場合の応力にはスケーリング則が成り立つことなどが明らかになった。また、組成を変化させた系においてもほぼ同様の結果が得られた。更にそれ自身が法線応力を持つ高分子液体であるポリジメチルシロキサン、ポリブタジエン系においても低ずり速度側で同様の結果が得られ、この場合に観測された法線応力は各成分のそれらよりもかなり大きいことが明らかとなった。一方、高ずり速度側では、低ずり速度側のデータとは明らかに異なる応答を示すことが明らかになった。
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