1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04453134
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
林田 晋策 九州大学, 農学部, 教授 (50038197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 貞蔵 九州大学, 農学部, 助手 (80117291)
古川 謙介 九州大学, 農学部, 助教授 (90221556)
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Keywords | アミラーゼ,生澱粉分解性の / アミラーゼ生澱粉親和部位 / 酵母,接合性高次倍数体の / ホモタリズム,遅延性の / ホモタリズム遺伝子 / アセトン・ブタノール菌 / Biofertilizer / そうか病 |
Research Abstract |
1.生澱粉の酵素分解機構の解明:グルコアミラーゼ(GAI)の生澱粉分解には、Gp-I及びCpからなる特異な生澱粉親和部位が必須である。CpのW^<562>-E^<596>領域はラセン状生澱粉アミロース鎖の2級水酸基を認識し、W^<562>が疎水的なラセン内孔と包接複合体を形成して、GAIは生澱粉へ吸着した。W^<562>の包接は、アミロースラセン構造に歪みを生じ、包接水放出により分子内水素結合を切断する。一方、Gp-I結合マンノースの水酸基は、水分子クラスターを不安定化し、単分子化された水分子を生成した。即ち、Gp-IはCpへ水分子を供給するとともにアミロース分子間水素結合を破壊した。生澱粉親和部位により遊離した水和澱粉分子は、活性中心へ取り込まれ、分解が進行することが明らかになった。 2.高エタノール耐性酵母の同質二倍体化機構解明:胞子熱処理による高次倍数体造成法を用い、種々の醸造用酵母の高次倍数体を作成し、さらに外来遺伝子を導入による分子育種の系を確立した。一方、新規な生活環である遅延性ホモタリズム酵母の性転換遺伝子の全塩基配列の決定を行い、HO構造遺伝子内の変異領域を明らかにした。 3.アセトン・ブタノール菌の代謝能変換:ソルベント生成比の変換を目的として、アセトン生成遺伝子abcの増幅と破壊を行った。著しい遺伝子増幅と破壊はソルベント生成転換を阻害したことから、ソルベント生成制御にはエレクトロンフローの制御が必須であることが明かとなった。 4.有用微生物による環境調和型農業体系の構築:農産廃棄物の有効利用のため、豚糞増殖性、畑地土壌非増殖性の抗生物質非産生糞生放線菌によるBiofertilizerを開発し、そのジャガイモそうか病抑制機構を検した。圃場実験によりBiofertilizerはそうか病に拮抗作用を有する土壌棲息性蛍光性シュードモナス菌および糸状菌を特異的に増殖させ、顕著なそうか病抑制作用を示すことが明かとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hayashida,S.: "Endomitotic diploidization of Saccharomyces cerevisiae by heat treatment during spore germination" Yeast. 9. 519-521 (1993)
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[Publications] Hayashida,S.: "A novel method for breeding polyploid cells by heat-induced endomitotic diploidization in Saccharomyces cerevisiae" Biosci.Biotech.Biochem.57. 2063-2066 (1993)
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[Publications] Hayashida.S.: "The mechanism of binding of glucoamylase I from Aspergillus awamori var. kawachi to cyclodextrins and raw starch" Biosci.Biotech.Biochem.58. 49-54 (1994)