1993 Fiscal Year Annual Research Report
メスバウアー発光分光によるクラッドへのコバルトの吸着機構の解明
Project/Area Number |
04453165
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
辻 利秀 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60023305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 恒雄 名古屋大学, 工学部, 助教授 (90135319)
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Keywords | メスバウアー発光分光 / クラッド / コバルト / 吸着機構 / ヘマタイト / マグネタイト / 放射能蓄積 / スピネル |
Research Abstract |
本年度購入した振とう式オートクレーブを用い、100℃の水溶液中にて、γ-Fe_2O_3とFe_3O_4クラッドへのコバルトイオンの吸着に及ぼすマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛などの前処理イオン効果を調べた結果、以下のことが明かとなった。 (1)クラッドのバルクにおいて八面体選択性が高いマグネシウムイオンで前処理後、コバルトイオンをクラッド表面に付着すると、マグネシウムイオンはクラッド表面の八面体位置に吸着されるので、八面体位置を好むコバルトとクラッドとの反応が阻害され、コバルトフエライトの生成が抑えられることがメスバウアー発光分光の結果わかった。 (2)クラッドのバルクにおいて四面体選択性が高いカルシウムやストロンチウムイオンで前処理後、コバルトイオンをクラッド表面に付着すると、コバルトは八面体位置にのみ吸着されるので、クラッド表面でのコバルトフエライトの生成が容易であることもメスバウアー発光分光の結果わかった。 (3)クラッドのバルクにおいて四面体選択性が最も高い亜鉛イオンで前処理後、コバルトイオンをクラッド表面に付着すると、亜鉛イオンはクラッド表面の四面体位置に吸着され、クラッド表面でのコバルトフエライト生成が最も容易であろうと推定したが、その予測に反し、実験結果は前処理を行わない場合と同一であった。この事実は固体クラッドに対する溶液への亜鉛イオンの分配比が小さいことで説明出来ることが明かとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Tsuji et al.: "Lattice Parameter Variation of Fe^<2+> Modified γ-Fe_2O_3" Ferrites:Proc.6th Int.Conf.on Ferrites. 1426-1429 (1992)
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[Publications] T.Tsuji et al.: "Effect of Ca^<2+>,Mg^<2+> and Zn^<2+> on the Coercivety and Mossbauer Spectrum of Cobalt-Adsorbed γ-Fe_2O_3 from 303 to 375K" Ferrites:Proc.6th Int.Conf.on Ferrites. 1430-1433 (1992)
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[Publications] T.Tsuji et al.: "Emisson Mossbaure Spectroscopy of Cobalt-modified γ-Fe_2O_3 pretreated with Calcium and Magnesium" IUMRS Int.Conf.of Advanced Materials. (in print). (1994)