1992 Fiscal Year Annual Research Report
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04454015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 和夫 広島大学, 理学部, 教授 (70022720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
設楽 惣助 広島大学, 総合科学部, 講師 (90034587)
鈴木 克周 広島大学, 理学部, 助手 (50221320)
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Keywords | 生物界間接合 / 伝達プラスミド / 接合伝達 / 大腸菌 / 酵母 / 真核微生物 / 前核微生物 / 凝集 |
Research Abstract |
1.真核前核生物間接合に於て凝集塊形成(性的凝集)が必須であることを見出した。この凝集はpHシフトによってコントロール可能であることが解った。pHシフトで性的凝集を抑制すると接合伝達が著しく阻害される。この凝集には酵母、大腸菌両細胞表層物質が関与していることが解った。 2.pAYプラスミドにGal10プロモーターと連結したGUS遺伝子を組み込んだpAY-GUSプラスミドを新に構築した。このプラスミドも他のpAYプラスミド同様パン酵母へ接合伝達された。ガラークトース存在下でのみ遺伝子は発現し蛍光検出された。接合伝達によりこれら制御系に何らの損障を受けてないことが解った。これは発現ベクターとなる。 3.pAYプラスミドのうちの伝達されたものゝ大部分はパン酵母宿主内でプラスミドとして存在するが、希に染色体へ組み込まれることがキュアリンプ及びサザン解析の結果解った。その際遺伝子重複が起り、パルスフィールド電気泳動により染色体DNAのバンドシフトが起るものが見出された。以上の染色体組み込みの大部分は解析の結果、二回組み換えによる遺伝子置換であった。一方、形質転換による組み込みは一回組換えであった。この相違は接合伝達機構そのものが組換えに関与していることを示す興味ある現象である。 4.パン酵母と系統分類学的に離れている出芽酵母Saccharomyces RluyveriでもpAYプラスミドが伝達されることをはじめて見出した。 以上の結果は真核前核生物間接合の分子機構と進化について重要な手縣を提供してくれるものだと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Nishikawa,K.Inomata,T.Sekito,K.Suzuki and K.Yoshida: "Trans-Kingdom conjugation as a symbiotic plasmid transfer between bacteria and yeasts" Endocytobiology(Tubigen Univ.Press). V. 10-18 (1993)
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[Publications] K.Okamoto,T.Sekito,K.Suzuki,and K.Yoshida: "Physical mepping,DNA sequencing and RFLP analysis of mitochondria DNAs from ascosporogenous yeasts: Saccharomyasexiguus S.Kluyveri and Hansenula winsei" Endocytobiology(tubigen Univ.Press). V. 18-27 (1993)
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[Publications] K.Inomata,M.Nishikawa and K.Yoshida: "Saccharomyces Kluyveri yeast as a recipient eukaryote in trans-kingdom conjugation" Molecular Microbiology,acepted.
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[Publications] 吉田 和夫,西川 正信: "生物界間接合一大腸菌と酵母の接合の分子機構" 蛋白質・核酸・酵素. 38. 60-68 (1993)
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[Publications] 吉田 和夫,大滝 保編著: "真核微生物の環境応答と遺伝子発現" 東北大学遺伝生態研究センター, 110 (1992)