1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454079
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
安藤 貴 岩手大学, 農学部, 教授 (90202788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比屋根 哲 岩手大学, 農学部, 助手 (90218743)
猪内 正雄 岩手大学, 農学部, 助教授
橋本 良二 岩手大学, 農学部, 助教授 (80109157)
岡田 秀二 岩手大学, 農学部, 助教授 (70133907)
柴田 信明 岩手大学, 農学部, 助教授 (70003762)
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Keywords | スギ林施業 / 混交林施業 / 帯状皆伐法 / 凍裂 / 光条件 |
Research Abstract |
平成4年度は、集約なスギ林施業技術の発展方向をとると予想される秋田県阿仁町、宮城県鳴子町、および岩手県の小岩井農場を主な調査地とし、スギ林施業の概要についての調査・検討を中心に行った。 その結果、集約なスギ林施業地といえどもスギ単純林としてではなく、ケヤキ、ウダイカンバ等有用広葉樹との混交林施業の方向をとっていること、また小岩井農場では単層林施業と複層林施業の中間形態と目される帯状皆伐法を採用する等、スギ林施業も多様な形態を取りつつあることが明らかとなった。またその背景として、施業の担い手である農林家経営が不安定で充分な人手を森林にかけられず省力化の方向を取らざるを得ない状況があること、そして今後はそれぞれの地域の特性を生かした林業の基盤整備事業を推進していくことが重要と考えられた。 また、スギ人工林の質的な面として、径級が大きくなると場所によって凍裂害の発生が多く認められ、東北地方におけるスギ長伐期施業の課題として、今後その方法を検討する必要があると考えられた。 スギを中心とした混交林施業の研究事例は全国的にも少ないため、今後は当初予定していた粗放的なスギ林施業の実態把握とともに、これら多様なスギ林施業の実態とその成立条件に関する調査を行い、スギ林施業体系の枠組について再検討する考えである。この他、スギの生理・生態的特質に関しては、さらにデータを集積して検討を加えることが必要で、とくにスギ造林木の光条件と施業方式(帯状皆伐の方法等)の関係等を明らかにするための調査を実施していく考えである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 橋本 良二: "若いスギ林における葉群の分布構造と受光状態" 日本林学会誌. 74. 466-474 (1992)
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[Publications] 白旗 学・橋本 良二: "スギ一次技各部分に着生する葉の光合成測定" 第44回日本林学会東北支部会誌. 44. (1993)
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[Publications] 岡田 秀二・佐藤 千恵子: "過疎山村住民の地域振興への意向ー秋田県阿仁町におけるアンケート調査ー" 日本林学会東北支部会誌. 43. 10-11 (1991)
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[Publications] 千田 健蔵・岡田 秀二: "農林家の就労実態と林業生産活動ー秋田県阿仁町を例にー" 日本林学会東北支部会誌. 43. 12-13 (1991)
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[Publications] 岡田 秀二・遠藤 日雄: "林業構造論の再検討と地域林業" 日本林学会大学論文集. 103. 53-54 (1992)