1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454084
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
橋詰 隼人 鳥取大学, 農学部, 教授 (60032075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 福壽 鳥取大学, 農学部, 助教授 (60112322)
岡田 滋 鳥取大学, 農学部, 助教授 (40233332)
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Keywords | ナラ類 / キハダ / ブナ / トチノキ / 育種 / 人工造林 |
Research Abstract |
有用広葉樹の育種と造林について前年度に引き続き研究を行った。 1.ナラ類の育種に関する基礎的研究:ナラ類の開花期,雌花の受容期,花粉の貯蔵,種間交雑などについて研究した。ナラ類は雌花先熱で,受容期間は7〜10日間であった。貯蔵花粉の人工受粉で結実することがわかった。コナラ、ミズナラ、カミワ、ナラガシワの種間交雑で種子が得られた。 2.キハダの育種に関する基礎的研究:雌木,雄木の開花期間,柱頭の受粉量、人工受粉による結実,果実の発育,種子生産量などについて研究した。人工受粉の適期は柱頭露出後3〜4日間であった。自然受粉における柱頭の受粉率は平均52〜97%であった。 3.大山・蒜山地区のブナ林における結実と種子の稔性:種子の落下数および品質は林分によって差があった。成熟種子の落下数は229〜984個/m^2で,未熟種子,健全種子,シイナ,虫害種子の割合は,それぞれ7〜36%,22〜55%,8〜38%,2〜16%であった。 4.キハダの人工林の生育:植栽方式の異なる23年生人工林で生育調査を行った。平均胸高直径は1列植え>2列植え>一斉造林>3列植えの順に,平均樹高は1列植え>一斉造林>2列植え>3列植えの順に大きかった。3列植えは劣勢被圧木が多かった。 5.トチノキ人工林の生育:12年生人工林で調査した。平均樹高は3.61m,平均胸高直径は5.7cmであった。産地・系統によって成長量に差異がみられた。太枝木,二叉木,複幹木などがあり,初期の手入れが必要である。 6.ブナの人工林の生育:20年生人工林で調査した。各系統の平均樹高は5.16〜6.89m,平均胸高直径は3.4〜6.1cmであった。急傾斜地では根元曲がりを生じた。胸高直径,樹高,傾幹幅,支持根発生率などは系統間に有意差が認められた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 橋詰隼人・江藤公則: "トチノキの人工造林に関する研究(I)12年生人工林の生育について" 日本林学会関西支部論文集. 第3号 (印刷中). (1994)
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[Publications] 橋結隼人: "キハダの人工造林に関する研究(III)植栽方式による成長の違い" 日本林学会開西支部論文集. 第3号 (印刷中). (1994)
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[Publications] 橋結隼人: "ナラ類の育種に関する基礎的研究(I)開花,受粉,花粉の貯蔵および種間交雑について" 日本林学会論文集. 第105号 (発表予定). (1994)
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[Publications] 橋詰隼人・索志立・松本健太郎: "大山・蒜山地区のブナ林における1993年の結実と種子の稔性について" 日本林学会論文集. 第105号 (発表予定). (1994)
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[Publications] 橋詰隼人・谷口真吾: "20年生ブナ人工林の生育について" 日本林学会論文集. 第105号 (発表予定). (1994)