1993 Fiscal Year Annual Research Report
消化管ホルモンによるニワトリの飼料摂取量調節機構の栄養生理学的研究
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04454110
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥村 純市 名古屋大学, 農学部, 教授 (10023425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 一美 名古屋大学, 農学部, 助手 (20221913)
古瀬 充宏 名古屋大学, 農学部, 助手 (30209176)
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Keywords | コレシストキニシ / デバゼパイド / アミラーゼ / 飼料摂取量 / 中鎖トリグリセリド / ニワトリ / 摂食行動 |
Research Abstract |
ニワトリヒナに飼料脂質源とし中鎖トリグリセリド(MCT)を与えた時に、飼料摂取量が低下することが明らかにされたので、MCTにより摂食行動を抑制することが知られている消化管ホルモンであるコレシストキニン(CCK)の分泌が促進されるかどうかを検討した。対照区となる長鎖トリグリセリド(LCT)にはトウモロコシ油を用い、試験区には炭素鎖長が8(C8)と10(C10)のMCTを用いた。両MCTにおいては、投与後30分でCCK濃度は急激に上昇し、LCTに比べ有意に高い値を示した。またその効果はC8に比して、C10で顕著であった。飼料の通過速度は、LCTに比較するとMCTで遅延したが、炭素鎖長による違いは認められなかった。上記の3種類の飼料について短期間の摂食行動を調査したところ、飼料給与後30分でLCT飼料に比べ両MCT飼料の摂取量は著しく低くなった。MCT間においてはC8飼料でより低くなる傾向が認められたが有意な差には至らなかった。次いで内因性のCCKの上昇が、ニワトリの摂食行動を抑制するかどうかを調べたところ哺乳動物とは異なり、CCKの摂食行動への関与は少ないことが判明した。その理由を明らかにするために膵臓の腺房細胞を用い、CCKによるアミラーゼ放出刺激を調べたところ、哺乳動物は内因的なCCKの水準でアミラーゼの放出が起こるのに対し、ニワトリでは内因的な水準のおよそ1000倍の濃度のCCKが存在しなければアミラーゼの分泌が起こらないことが示された。またCCK受容体の拮抗薬であるデバゼパイドの効能を調べたところ、ニワトリでは哺乳動物における作用に比してCCKの効果と同じく1000倍感受性が低いことが判明した。以上のことを総括すると、消化管ホルモンであるCCKの作用は鳥類においてはさほど重要でないことが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Mabayo,R.T.: "Medium-chain triacylglycerols enhance release of cholecystokinin in chicks" Journal of Nutrition. 122. 1702-1705 (1992)
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[Publications] Furuse,M.: "Feeding behaviour in chickens given diets containing medium chain triglyceride" British Poultry Science. 34. 211-217 (1993)
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[Publications] 古瀬 充宏: "単胃動物における中鎖トリグリセリドの栄養生理学的特性について" 栄養生理研究会報. 37. 1-22 (1993)
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[Publications] Okumura,J.: "Effect of dietary medium chain triglyceride on protein and energy utilization and crop emptying in growing chicks" Proceedings of the Sixth Animal Science Congress of AAAP Societies. 3. 89 (1993)
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[Publications] Choi,Y.H.: "Is cholecystokinin a major regulator of food intake in the chicken?" Proceedings of the Fifth Conference Far East and South Pacific Federation WPSA. 151 (1993)