1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454217
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 美恵子 京都大学, 医学部, 助教授 (60025658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 克彦 京都大学, 医学部, 助手 (10200883)
糸川 嘉則 京都大学, 医学部, 教授 (80025593)
増田 徹 京都大学, 医学部, 助教授 (00027319)
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Keywords | 栄養状態 / マグネシウム欠乏 / 免疫応答 / 脾細胞 / 脾T細胞 / マクロファージ / マイトジェン / サイトカイン |
Research Abstract |
近年,免疫能の低下が問題である癌や感染症も栄養状態が大きく関与している可能性が指摘されるようになってきた。他方、必須微量栄養素の1つであるマグネシウムを欠乏させた動物では、著明な脾臓や胸腺の肥大、リンパ球の増加、カテコールアミンやセロトニンの代謝異常が認められることを明らかにしてきた。これまでのこれらの研究結果に注目し、今回は、マグネシウム栄養と免疫能の関連を明かにするため、免疫応答能に及ぼすマグネシウム欠乏の影響について検討した。 マグネシウム欠乏飼料で1または2週間飼育したラット及び正常飼料で飼育した対照群ラットの脾細胞および腹くうマクロファージ(MΦ)を無菌的に採取し、脾細胞はマイトジェン(ConA,LPS)刺激による幼若化反応及びサイトカイン(IL-2,IL-3)活性、腹くうMΦはIL-1,IL-6活性を測定した。また、脾細胞からT細胞を分離して、MΦと混合培養して、それぞれの機能をさらに詳細に検討した。 マグネシウム欠乏飼料で飼育したラットの脾細胞のConAにたいする幼若化能は正常飼料摂取群に比較して、著しく低下していた。LPSにたいする反応性はConAのような大きな変化は認められなかった。脾細胞のサイトカイン産生能は、ConA反応性の低下が認められたに関わらず、マグネシウム欠乏群のIL-2値がやや高値であった。MΦのサイトカイン産生能はIL-2,IL-6ともにマグネシウム欠乏群で高値の傾向があった。脾T細胞とMΦの相互作用では、T細胞自体はマグネシウム欠乏と対照群の間で差が認められなかったが、マグネシウム欠乏群のMΦはConAにたいする反応性を補助する能力が低下していた。以上、マグネシウム欠乏による免疫応答能低下の影響が確認された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 木村美恵子 横井克彦他: "ストレスの栄養条件(カルシウムおよびマグネシウム欠乏)による修飾" Therapeutic Research. 9. 2759-2773 (1991)
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[Publications] 木村美恵子 横井克彦他: "鉄摂取量の違いによるマグネシウム欠乏ラットの血清生化学性状の変化" JJSMgR. 11. 19-29 (1992)
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[Publications] K.Murakami,H.Maruyama 他: "Effects of intrathymicinjection of organ-specific autoantigens,parietal cells,at the neonatal stage on autoreactive effector and suppressor T call precursors." Eur.J.Immunol.23. 809-814 (1993)
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[Publications] K.Murakami,M.Hosono 他: "Concomitant enhancement of the response to Mls-l^a antigens and the induction of postthymectomy autoimmune gastritis in BALB/c mice." Clin.Exp.Immunol.92. 500-505 (1993)
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[Publications] Z.Zhu,M.Kimura Y.Iotkawa: "Effect of selenium and protein deficiency on selenium and glutathione peroxidase in rats." Bio.Tra.Elem.Res.36. 15-23 (1993)
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[Publications] N.Jin,M.Kimura,Y.Itokawa: "A gel filtration high-performance liquid chromatographic method for determination of hepatic and renal metallothionein of rat and in comparison with the cadmium-saturation" Bio Tra Elem Res. 36. 183-190 (1993)
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[Publications] 木村美恵子: "公衆衛生学(環境衛生,学校保健:分担)" 光生館, 223 (1993)
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[Publications] 木村美恵子: "生体微量元素(カルシウム、マグネシウム:分担)" 廣川書店, 376 (1994)