1992 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈副血行路の新生と発達を調節する血行力学的要因と液性因子の解明
Project/Area Number |
04454261
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
友池 仁暢 山形大学, 医学部, 教授 (90112333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 秀範 山形大学, 医学部, 助手 (30240675)
太田 郁郎 山形大学, 医学部, 講師 (70143097)
小熊 正樹 山形大学, 医学部, 講師 (10160821)
佐藤 忍 山形大学, 医学部, 助教授 (90113951)
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Keywords | 副血行路 / 心筋虚血 / 血管新生 / 局所心機能 / 血管成長因子 / WHHL / 高脂血症 / 血行動態 |
Research Abstract |
I 短時間の反復虚血刺激による副血行路の発達 成犬をペントバルビタール麻酔、清潔手術下に開胸し、前下行枝領域と回旋枝領域の心内膜側に局所心筋長を連続計測するため各一対の超音波クリスタルを挿入留置した。回旋枝はその基始部で剥離し、電磁流量プローブとカフ型オクルーダーを囲繞した。心尖部からKonigsberg製血圧トランスデューサーを心室内に挿入留置した。手術操作から回復後に無麻酔下に実験を行った。テレメトリー法を応用して無拘束下に左室圧、局所心筋機能、心電図を連続測定し、2分間の冠閉塞を30分間隔で繰り返した。副血行路の機能的発達は左冠動脈回旋枝閉塞時の局所心筋短縮率の変化から定量化した。初回の冠動脈閉塞時の局所心筋短縮率の低下度(X)と副血行路の発達に要する反復閉塞回数(Y)の間に有意の負の相関を認めた。Y=16e(-0.03X)^<-1> r=-0.77,n=23,p<0.01。すなわち、生来存在する副血行路の発達程度がその後の刺激による副血行路の成長速度を規定すると考えられた。 副血行路が一旦発達すると、その血流路が血流の方向に対し極性(血流方向によって流れ易さが異なるか)があるかを検討した。すなわち、上記のモデルにさらに前下行枝を剥離しカフオクルダーを囲繞したモデルを作製した。回旋枝の反復虚血によって副血行路が機能的に発達した後、前下行枝を2分間閉塞し、回旋枝→前下行枝の副血行路機能を検討した。副血行路には極性が無いことが観察された。 II 高脂血症による副血行路発達速度の修飾:家兎を麻酔人工呼吸下に開胸し、清潔手術操作で左冠動脈枝を結紮し閉胸した。術後、24時間、7日、30日に心臓を摘出しBa-ゼラチンを冠動脈内に注入し軟X線撮影を行い副血行路がどの時点から発生するかを検討した。日本白色家兎とWHHLを対し高脂血症の意義を検討した。
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[Publications] Tomoike,H.: "Coronary spasm and integrity of endothelial function." Jpn.Circ.J.56. 175-177 (1992)
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[Publications] Takeishi,Y.: "Intravenous aminophylline affects myocardial washout of thallium-201 after dipyridamole infusion." Am.J.Noninvas.Cardiol.6. 116-121 (1992)
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[Publications] Yamaki,M.: "Relation between recovery sequence estimated from body surface potentials and T wave shape in patients with negative T waves and normal subjects." Circulation. 85. 1768-1774 (1992)
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[Publications] Hosoya,Y.: "Spectral analysis of 87-lead body surface signal-aver-aged ECGs in patients with previous anterior myocardial infarction as a marker of ventricular tachycardia." Circulation. 85. 2060-2064 (1992)
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[Publications] Egashira,K.: "Mechanism of ergonovine-induced hyperconstriction of the large epicardial coroanry artery in conscious dogs a month after arterial injury." Circ.Res.71. 435-442 (1992)
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[Publications] 友池 仁暢: "副血行路の発達機序" 脈管学. 32. 1203-1205 (1992)
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[Publications] Tomoike,H.: "Collateral Circulation" Kluwer Academic Publishers, 283 (1993)