1992 Fiscal Year Annual Research Report
肝類洞様基質下肝細胞培養による肝機能発現unitの作製とその臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
04454323
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
草野 満夫 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70091569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紀野 修一 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20234312)
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125415)
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Keywords | 肝細胞 / 細胞外マトリックス / 肝類洞 / ハイドロキシアパタイト / 肝不全 |
Research Abstract |
本研究の目的は肝類洞をモジュールした細胞外基質(ハイドロキシアパタイト,SE)を用い、分離肝細胞を培養長期維持し、肝小様構造に類似した肝機能発現unitを作製することである。細胞外基質は30〜100μmの多孔性で、肝類洞構造に類似し、しかも組織親和性も高い。平成4年度までの研究経過は以下のごとくである。I.生着状態. 1.成熟肝細胞:分離した肝細胞を本unitにシーディングして、同系ラット腹腔大網内に移植した。光顕(HE,PAS)、電顕的に移植後1ヵ日目までの生着を確認した。しかし増殖傾向は認められなかった。 2.胎児肝細胞:同様に胎生18〜20日の胎児肝を細切、unitにシーディングし、腹腔内に移植した。移植後6週までの生着を確認した。細胆管の増生も観察された。 II.移植部位の検討実験1、1,2で作成したunitを腎被膜下に移植したが、移植1ヵ月目では生着細胞が認められなかった。 III.SE基質に関しての研究ハイドロキシアパタイトの気孔率と気孔径と肝細胞の生着状態との関連:気孔径90μm、200μm、気孔率70%の2種類のSEを用いたが、生着状態に変化は認められなかったが、細胞増殖が認められなかった理由として 1)炎症系細胞の増殖 2)肝細胞とSE基質との接着状態の不良の2つが考えられた 以上の結果より 1)厳密な滅菌下で、pre-icubation後に移植する. 2)SE基質のコラーゲンでのコーティングを行ない研究を継続する。さらに、1)肝不全動物に対する治療効果. 2)SE基質培養肝細胞UNITの長期保存. 3)LEC自然肝炎、肝癌発生ラットにおけるSE基質培養細胞unit移植によるその抑制効果について検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 草野満夫: "肝細胞移植の研究" 日本臨床. 50. 1679-1688 (1992)
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[Publications] M.Kusano: "Proliferation and Differenteation of Fetal Liver Cells Transplanted into Rat Spleen." Transplantatio Proceedings. 24. 2960-2961 (1992)