1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454359
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
滝 和郎 京都大学, 医学部, 講師 (70144368)
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Keywords | 血管内手術 / 脳動静脈奇形 / 脳動脈瘤 / 塞栓術 |
Research Abstract |
脳動静脈奇形の塞栓術にはnidusを塞栓する液体塞栓材料が使用されているが、新しい材料としてpoly vinyl acet at e emulsionをとりあげた。この材料は0.5μmの粒子の懸濁液で各小粒子表面は正に帯電している。非イオン性の溶液中では各粒子は反発しあって、凝集塊を作らないが、陰イオンが存在すると凝集塊を作る。従って血液中では、その陰イオンの存在で急激に凝集する。凝集は瞬間的に起こるので動脈内に注入されても適当な濃度であれば、動脈内で凝集塊を作り血管を閉塞する。ただしx線透視下では見えないので非イオン性の造影剤lopamiron370を添加することで造影可能となった。粘性は2.0-3.1cpであった。造影剤配合比は123.3mgl/mlが適当であることを決定した後、雑種成犬12頭を使用して腎動脈への注入実験を行った。4.5%溶液の材料では非常に細かい血管にまで入り、14.5%溶液では主幹の動脈にしか入らなかった。また組織学的検討を行うために18匹のラット皮下注入、24匹のラットの腎動脈注入を行った。組織学的検討の結果、炎症反応は軽度で壊死なども認められず、永続的な閉塞効果が得られた。問題がないため倫理委員会の許可、患者の承諾をえて、脳動静脈奇形症例に臨床応用した。側頭葉の脳動静脈奇形でpoly vinyl acet at e emulsionを流入動脈より注入した。90%が塞栓された。40日後に摘出を行い、患者経過順調で元気に退院した。組織学的に検討を行ったところ120μmから2.5mmの血管が閉塞されており、単核球の浸潤は少なく炎症所見は軽度であった。
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Research Products
(30 results)
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[Publications] A.Sadato,: "Improved Provocative Test for the Embolization of Arteriovenous Malformations-Technical Note-" Neurologia medico-chirurgica. 34-3. 187-190 (1994)
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[Publications] W.Taki,: "Pathogenetic and Therapeutic Considerations of Carotid-Cavemous Sinus Fistulas" Acta Neurochirurgica(Wien). 127. 6-14 (1994)
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[Publications] Kohsuke yamashita,: "Characteristics of Ethylene Vinyl Alchol Copolymer(EVAL)Mixtures" AJNR. 15. 1103-1106 (1994)
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[Publications] 滝和郎: "脳血管障害(血管内手術)" ナ-スのための脳神経外科. 276-281 (1992)
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[Publications] 滝和郎: "血管内手術法-最近の動向" Annual Review神経. 100-104 (1992)
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[Publications] 滝和郎: "頭蓋内血管病変に期待されるelectrodetachable coil" Imaging Topics 2. 3. 1-3 (1992)
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[Publications] 中原一郎: "血管内手術の実際 血管内手術のset upと器材" BRAIN nursing vol.9No.2. (1993)
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[Publications] 滝和郎: "治療技術の革新 Interventional radiology 脳" 日本医学会総会23回会誌3号. 284-285 (1992)
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[Publications] 定藤章代: "脳動静脈奇形に対する塞栓術-39例の結果、合併症について-" 脳卒中の外科. 20. 133-136 (1992)
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[Publications] 西 正吾: "手術困難な脳動脈瘤に対する血管内手術によるアプローチ-22例の検討-" Neurosurgeons(第11回日本脳神経外科コングレス講演録). 11. 272-281 (1992)
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[Publications] 定藤章代: "高齢者の脳動脈瘤に対する血管内手術の問題点" Geriatric Neurosurgery Vol.4第4回老年脳神経外科研究会. 4. 169-172 (1992)
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[Publications] 西 正吾: "頚動脈海綿静脈洞部硬膜動静脈奇形に対する経静脈的塞栓術" 脳卒中の外科(Surgery for Cerebral Stroke). 20:3. 210-214 (1992)
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[Publications] 中村善也: "Feederに動脈瘤を伴ったAVMの塞栓術:EVALによる3治験例" 脳卒中の外科. 20:3. 215-220 (1992)
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[Publications] 山下耕助: "Detachable Baloonで治療した後大脳動脈 巨大動脈瘤の1症例" NEUROLOGICAL SURGERY. 20:7. 787-791 (1992)
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[Publications] 中原一郎: "低血圧負荷およびSPECT/PETを用いたBalloon Occlusion Test" 第8回日本脳血管内手術研究会講演集. 47-52 (1992)
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[Publications] 滝和郎: "脳梗塞急性期におけるintravascular surgery" nano GIGA. 2:5. 775-779 (1993)
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[Publications] 松本晃二: "脳動脈瘤の塞栓術" CLINICAL NEUROSCIENCE. 11:7. (110-111)(816-817) (1993)
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[Publications] 松本晃二: "脳血管内手術" 臨床看護8. 19:9. 1396-1399 (1993)
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[Publications] 西 正吾: "カテーテルによる血管内手術法 脳血管内手術 硬膜動静脈奇形および頚動脈海綿静脈洞瘻" 循環科学. 13:8. 806-812 (1993)
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[Publications] 中原一郎: "脳神経外科領域におけるPercutaneous Transluminal Angioplastyの現況" 脳神経外科速報. 3:12. 1029-1034 (1993)
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[Publications] 滝和郎: "頚動脈海綿静脈洞瘻(CCF)のIVR" IVR Researcher 1. 1. (1993)
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[Publications] 滝和郎: "血管内手術法 Part1:血管内手術の始まり" 脳神経外科速報. 4:1. 13-15 (1994)
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[Publications] 中原一郎: "人工塞栓術にて閉塞し得た中脳四丘体部 脳動静脈奇形の1例" NEUROLOGOCAL SURGERY. 21:1. 67-72 (1993)
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[Publications] 滝和郎: "脳動脈奇形の塞栓術" 脳と神経. 45:5. 409-414 (1993)
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[Publications] 滝和郎: "脳血管内手術 最近の知見" 鹿児島脳血管性障害研究会会誌. 11.1. 7-13 (1993)
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[Publications] 滝和郎: "高齢者における血管内手術の有用性と注意点-脳動脈瘤-" Geriatric Neurosurgery Vol.5 第5回老年脳神経外科研究会. 42-45 (1993)
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[Publications] 根本繁: "脳動静脈奇形治療における血管内手術の役割" 脳卒中の外科. 21:6. 443-447 (1993)
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[Publications] 滝和郎: "血管内手術法 Part2:バルーンカテーテルの開発" 脳神経外科速報. 4:2. 101-104 (1994)
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[Publications] 田中正人: "脳神経系の血管内手術" 先端医療ADVANCED MEDICINE. 2. 47-50 (1994)
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[Publications] 滝和郎: "脳神経系の血管内手術、最近の進歩" 日本放射線技術雑誌. 50:11. 1888-1893 (1994)