1992 Fiscal Year Annual Research Report
インドシアニングリーンおよびリドカインの薬物動態からみた肝機能評価法
Project/Area Number |
04454394
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西 信一 大阪市立大学, 医学部, 助手 (20189244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 章 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00047367)
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Keywords | ICG / リドカイン / 薬物動態解析 / 肝機能 |
Research Abstract |
ICG検査は従来より肝機能検査として広く用いられてきた、しかしクリアランスをはじめとした薬物動態解析によるパラメータの算出は行われていない。これらのパラメータは手術によっても変動し、劇症肝炎の時にさらにその変動は大きい。従って患者の予後の判定にも使用できる可能性がある。更に最近ドパミンやプロスタグランディンE_1の少量持続投与が肝血流量を増加させるという報告を見るが本研究は肝血流量を肝の“機能的"血流量という点から見て、肝の機能がどのように変化するのかということを臨床経過と併せて検討するものである。肝切除術を受ける症例を対象として、ICGを末梢静脈内及び門脈内に投与し、血中濃度の経時変化を解析することによりICGの周術期での体内動態を検討した。この結果、ICG体内動態は末梢分画からの排泄を想定した2分画モデルがよく適合し、周術期にはこの2つの分画間のクリアランス変化が大きいと考えられた。中枢分画は循環血漿を、末梢分画は肝をあらわすと考えられるので、この分画間クリアランスは肝血漿流量をあらわすのではないかと考えられた。 本研究の途中で、指先に装着したプローベにより非侵襲的に血中ICG濃度を定量できる機器(クリアランスメータ)を使用することができるようになった。この機器は本研究の遂行に非常に有用なものであると考えられたが、信頼性に関して検討する必要があった。本年度中にこの機器の有用性に関して検討し報告した。即ち、健常成人においてはクリアランスメータの吸光度値と液体クロマトグラフィーによる血中ICG濃度は検量線を設定することができ、吸光度値を濃度に換算することによりすぐにICG体内動態を解析することができると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 浅田 章,西 信一,石原 創,新藤 光郎,鍛冶 有登,安部 順子,小田 裕,藤森 貢,久保 正二,広橋 一裕,木下 博明: "肝部分切除術患者の門脈内に投与したインドシアニングリーンの薬物動態" 臨床薬理. 23. 55-56 (1992)
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[Publications] 西 信一,浅田 章,小田 裕,吉田 範子,田中 和夫,安部 順子,藤森 貢: "ICGクリアランスメータ(RK-1000)を用いた手術室・ICUでのICG薬物動態解析の有用性" 臨床薬理. 23. 53-54 (1992)
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[Publications] 山本 勲,浅田 章,西 信一,小田 裕,安部 順子,藤森 貢: "ICGのモーメント解析を利用した門脈下大静脈シャント率の測定" 麻酔と蘇生(別冊). 28. 85-88 (1992)
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[Publications] 西 信一,浅田 章,安部 順子,藤森 貢: "ICGクリアランスメータを用いたICUでのICG薬物動態解析の有用性" ICUとCCU. 16. 1197-1203 (1992)