1992 Fiscal Year Annual Research Report
多嚢胞卵巣症候群の診断技術の向上と治療法の改善に関する研究
Project/Area Number |
04454421
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
青野 敏博 徳島大学, 医学部, 教授 (50028445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 敏之 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40230205)
苛原 稔 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (20160070)
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Keywords | 多嚢胞卵巣症候群 / 診断基準 / ゴナドトロピン療法 / pureFSH療法 / LH-RHアゴニスト療法 / LHRH律動授与法 |
Research Abstract |
平成4年度においては多嚢胞卵巣症候群の診断精度の向上に重点を置いて研究を進めた。まず多嚢胞卵巣症候群患者について、月経異常(不妊)、多毛、肥満などの臨床症状、血中LH、FSH、プロラクチン、各種性ステロイドホルモンなどの内分秘所見、卵巣所見などについて異常値または異常所見の発現率を検討した結果、本邦婦人多嚢胞卵巣症候群患者の特徴として、月経異常(不妊)は90%以上と高率に出現しているが、多毛や肥満は20%程度と欧米婦人に比較して低率であること、内分泌所見ではLHが高値かつFSHが正常値である例が80%以上であること、さらにテストステロンなど男性ホルモンの異常高値率が50%以上を示すこと、また卵巣の所見では、内診による卵巣腫大の発見率は低いが、超音波診断により80%以上で多嚢胞卵巣が認められることなどが判明した。この結果から、多嚢胞卵巣症候群の診断においては、臨床症状では月経異常(不妊)、内分泌所見ではLHが高値かつFSHが正常値、卵巣の所見では超音波診断により多嚢胞性変化が認められることが本症候群の診断基準設定において重要と考えられた。 一方治療においては、hMG製剤を用いたゴナドトロピン療法、pureFSH製剤によるゴナドトロピン療法、LH-RHアゴニストとpureFSH併用療法、LH-RH律動投与法などについて、排卵率、妊娠率、副作用としての多胎妊娠率、卵巣過剰刺激症候群の発生率等を指標に治療成績を蓄積しているが、現在の傾向としてはLH-RHアゴニストとpureFSH併用療法が本症候群おいては有用性の高い治療法であることが示唆されている。
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