1992 Fiscal Year Annual Research Report
ラット杆体光受容細胞分化のメカニズムの解析ー発生期ラット網膜細胞pellet培養法の基礎的検討と、同法を用いたin vitro study
Project/Area Number |
04454446
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
渡邊 卓 杏林大学, 医学部, 講師 (00191768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣澤 一成 東大, 医科学研究所, 教授 (30009980)
中原 一彦 杏林大学, 医学部, 教授 (70101095)
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Keywords | 神経発生学 / 細胞分化 / 形態形成 / ラット / 網膜 / 杆体光受容細胞 / 細胞培養 |
Research Abstract |
I. ロッド細胞分化促進活性を担う細胞種の同定 上記目的にそって、先ず同活性の存在する生後早期網膜内における特定細胞群の分離、除去法の検討を行った。今年度は、(1)Ara-C処理による分裂期細胞の除去(すなわち、すでに分化した細胞群のみの単離)、(2)節細胞および双極細胞に関して、特異的細胞表面抗原に対する抗体を用いたpanning法による細胞分離とともに、これら抗体と補体を用いた細胞障害法による特異的細胞種除去法の検討を行った。この成果の検討には、一部フローサイトメトリーも用いた。現在、これらの細胞を用いて、Trans-membrane法によるロッド細胞分化促進活性のアッセイを行いつつある状況である。 II. ペレット培養法に関する基礎的検討 大部分の細胞が未分化である胎生15日ラット網膜より作製した細胞ペレットを、培養液に浮遊させたポリカルボネイト膜上にて約2週間培養することにより、(1)in vitroでの長期生存が困難とされてきた節細胞を含め、ほぼ全ての主要網膜細胞種の分化がみられること、(2)これらの細胞種の大部分は、ペレット内で分裂した未分化な前駆細胞より、in vitroにて分化したものであることを、細胞種特異的抗体等を用いて示すことができた。さらに、(3)網膜に特徴的な微細構造のペレット内における形成を電顕的に証明した。 以上の結果より、ペレット培養は前駆細胞の増殖、分化および、形態形成という網膜の発生における基本的な要素をin vitroで再現可能なユニークな実験系である事を示した。この結果は現在投稿準備中である。
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