1993 Fiscal Year Annual Research Report
ラット杆体光受容細胞分化のメカニズムの解析-発生期ラット網膜細胞pellet培養法の基礎的検討と、同法を用いたin vitro study
Project/Area Number |
04454446
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
渡邊 卓 杏林大学, 医学部・臨床病理学, 講師 (00191768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広澤 一成 東京大学, 医科学研究所・微細形態学, 教授 (30009980)
中原 一彦 杏林大学, 医学部・臨床病理学, 教授 (70101095)
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Keywords | ラット網膜 / 杆体光受容細胞 / 発生 / 糖輸送担体 / 細胞培養 |
Research Abstract |
昨年にひき続き、今年度もpellet培養法に関する基礎的検討と、これを応用した杆体光受容細胞分化のメカニズムの解析を行った。 (1)ロッド細胞の分化促進活性を担う細胞種の同定 双極細胞を特異的に認識する抗体を用いたpanning法を応用し、ロッド細胞の直前に分化することの知られている双極細胞のロッド細胞の分化に及ぼす影響をtransfilter実験によって確認するべく、その基礎的な検討をひき続き行った。このなかで特に重要な点として、panning法による双極細胞の純化、除去における細胞の純度とその収率の検討を主とした。この点に関して、いまだ安定した結果が得られていないことより、来年度さらに検討を継続する必要がある。 (2)発生期ラット網膜のpellet培養法に関する検討 我々は、ラット網膜のMuller細胞上に糖輸送担体2型(GLUT2)が特徴的な配列パターンをもって発現していることをあきらかにしてきたが、pellet培養法の応用の一例として、pellet中におけるGLUT2の発現の有無と正常網膜との発現パターンの相違を、電顕、光顕レベルでの形態学、およびタンパクレベルでの生化学的手法により検討した。我々は(1)immunoblot法により、pellet内におけるGLUT2タンパクの存在を確認した。次に(2)光顕レベルでの免疫染色によりGLUT2のpellet内における存在を確認、さらにこの発現パターンがin vivoのそれを忠実に反映するものであることを明らかにすることができた。これらの結果より、pellet培養法の有用性があらためて確認された。今後電顕レベルでの観察、pelletにおけるGLUT2の発生等、さらに詳細な検討を加えてゆく予定である。
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