1992 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症における関節雑音の客観的な診断法に関する研究
Project/Area Number |
04454510
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
道 健一 昭和大学, 歯学部, 教授 (40013891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 竜太 昭和大学, 歯学部, 助手 (20214322)
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Keywords | 顎関節雑音 / 音響分析 / clicking / crepitus |
Research Abstract |
1.顎関節雑音分析システムの開発について デジタルオーディオテープレコーダ(DAT)を用いてデジタル録音した顎関節雑音の信号を音響分析システムに取り込む際に、従来のわれわれのシステムでは録音したデジタル信号をもう一度アナログ変換し、分析システムに付属したA/D変換器にて再びデジタル化して取り込んでいた。すなわち、従来のシステムではアナログ信号をデジタル化する際に生じる丸めの誤差が二度起こる機会があった。また、音響信号の取り込み時間長ならびに分析プログラムも顎関節雑音の分析に十分対応できるものではなかった。平成4年度にDATインターフェースボードを付属させた記憶容量の大きなマイクロコンピュータシステムを購入し、新規に音響信号分析プログラムを開発したことにより、デジタル録音した音響信号をアナログ変換することなく、しかも十分な時間長でコンピュータに取り込こむことができるようになり、分析に関しても周波数領域、時間領域において音響信号をより多角的に検討できるようになった。 2.顎関節雑音の分析結果について 顎関節雑音の2つのTypeであるclickingとcrepitusの音響特性について、以下の知見を得た。 (1)時間波形上の最大振幅レベルはclickingがcrepitusに比べ有意に大きかった。 (2)周波数特性では、clickingは500〜800Hzに最大レベルがみられるサンプルが多く、一方crepitusでは周波数軸上レベルが100Hzから1KHzにかけて減衰するサンプルが多く認められた。 (3)無症状者と顎関節症患者の比較では、開口時のcrepitusについて顎関節症患者の方が時間波形上の振幅レベルが無症状者のレベルよりも大きかった。
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