1994 Fiscal Year Annual Research Report
混合歯列期における下顎前歯叢生が歯周炎に与える影響
Project/Area Number |
04454521
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
佐々 竜二 昭和大学, 歯学部, 教授 (20014201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真朗 昭和大学, 歯学部, 助手 (90188053)
佐藤 昌史 昭和大学, 歯学部, 講師 (00196271)
山下 登 昭和大学, 歯学部, 講師 (00129876)
井上 美津子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (20112724)
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Keywords | 歯周疾患 / 叢生 / 歯列石膏模型 / 歯肉炎 / 混合歯列期 / 歯肉色 / 口腔衛生 / 三次元測定 |
Research Abstract |
平成4年度の予備調査より、食生活の違いによる歯肉の炎症度については両群間で差は認められなかった。しかし、平成5年度に行った歯肉炎の調査では唇側、舌側とも叢生群の方が炎症の程度が高く、両群間に有意の差が認められたため、最終年度はその要因を分析した。叢生という歯の唇舌的なずれは食物の残渣、歯垢付着を促し、ひいては歯周組織の悪化を引き起こす大きな因子のひとつであることが判明した。 また、歯列石膏模型より歯肉歯槽部の形状を平成5年度の結果を踏まえて分析した。すなわち、模型上で基準平面より2mm、4mm、6mm、8mm、10mm間隔で下方への歯槽部の状態について検討した。基準点から歯槽の最大膨隆点までの垂直的距離、膨隆部の水平的距離を計測した。 一方、歯周診査結果と模型計測結果との関連性について分析したが、今年度の研究からは詳細な結果は得られなかった。今後の研究課題として、乳歯列期から混合歯列期を経て、永久歯列が完成するまでの経年的研究の必要性が示唆された。それには、正常歯列の対象群は比較的集めやすいが、叢生状態の者を自然のまま経過観察することは難しく、今後の検討事項のひとつとしたい。 歯周炎の発現因子を早期に見いだすためには資料採得を完全にし、その資料の一つ一つを詳細に分析、あらゆる角度から観察することが大切であることを痛感した。 しかしながら、本研究が今後の歯周炎の発症因子解明の一助となることを希望している。
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[Publications] 高橋真朗: "小児の歯肉形態に関する研究-乳歯列期から混合歯列期における歯肉・歯槽形態の変化-" 小児歯科学雑誌. 32. 1015-1041 (1994)
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[Publications] 須田玲子 他: "自覚症状による歯周病のスクリーニングの有効性について" 日本歯周病学会会誌. 36. 679-692 (1994)
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[Publications] 向山賢一郎: "小児の歯肉色に関する研究-測色方法の検討と乳歯列期から永久歯列期に至る歯肉色の変化について-" 小児歯科学雑誌. 31. 39-55 (1993)