1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454541
|
Research Institution | Yamanashi Medical College |
Principal Investigator |
橋本 敬太郎 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10004665)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元村 成 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (40091756)
|
Keywords | 催不整脈作用 / クラスIII抗不整脈薬 / クラスI抗不整脈薬 / 強心薬 / ホルター心電計 |
Research Abstract |
クラスI抗不整脈薬を心筋梗塞後の心室性不整脈のある患者に長期投与したCAST(Cardiac Arrhythmia Suppression Trial)の報告が予想に反してプラセボより心臓死を増加させ生命予後を悪化させたことを示して以来、抗不整脈薬およびそれ以外の薬物による心臓死の誘発、特に催不整脈作用が注目されてきた。特にクラスIII抗不整脈薬はKチャネルを抑制し、リエントリー不整脈を抑制するが、病的なQT延長は臨床で古くから知られていた様に致死性の不整脈を誘発するので、クラスIII薬については抗不整脈作用と同時に催不整脈作用についても前臨床試験の段階から検討が必要である。この点従来からの動物不整脈モデルは主として薬物などの抗不整脈作用を検討するために開発されていたもので、新たに不整脈を誘発しやすくするかなどの検討に充分使いうるかは疑問であり、間違いなく不整脈を悪化させるであろう細胞内Caを増加させる強心薬などについてしか我々も用いていない。薬物が不整脈を起こし易くするかを検討出来る動物モデルを開発出来れば有用である。本年度はイヌを用いて長時間の記録をとり、自動的に解析し不整脈を誘発し易くするかを検討した。正常ビーグル犬に何回にもわたり薬物を投与し、特にクラスIII薬の催不整脈作用を心室性期外収縮の出現を目安に評価したが、臨床で問題になる倒錯頻拍は認められなかった。また従来の不整脈モデルに関しては、それを用いて新しい強心薬について検討し、特にCa電流の増加が起こっているアドレナリン不整脈では強心薬がさらに悪化させることを示すことが出来た(文献1,2)。
|
-
[Publications] Z.Wu,K.Hashimoto et al.: "Effects of OPC-18790,a new positive inotropic agent,on canine ventricular arrhythmias." Japan.J.Pharmacol. 63. 399-404 (1993)
-
[Publications] A.Hirasawa,K.Hashimoto et al.: "Effects of a new forskolin derivatives,NIK477,on canine ventricular arrhythmia models" J.Cardiovasc.Pharmacol.22. 847-851 (1993)