1994 Fiscal Year Annual Research Report
統一ドイツの現状と未来-統合されるヨーロッパの中で-
Project/Area Number |
04455006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保坂 一夫 東京大学, 教養学部, 教授 (20074289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 純 東京大学, 教養学部, 講師 (10251331)
石田 勇治 東京大学, 教養学部, 助教授 (30212898)
高橋 宗五 東京大学, 教養学部, 助教授 (10134404)
工藤 章 社会科学研究所, 教授 (90092197)
廣渡 清吾 社会科学研究所, 教授 (60025153)
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Keywords | データベース / 統一ドイツ / マ-ストリヒト条約 / 統合ヨーロッパ / 外国人労働者 / 基本法 / 多文化 / ベルリン |
Research Abstract |
最終年度である平成6年度は、前年度までになされた研究資料・文献及びその分析に基づき、統一ドイツの問題について研究成果の総合化を行った。前年度までは主として研究分担者各自の個別的研究に重点が置かれていたが、今年度はこれらの個別的研究の成果を相互に関連させて議論することにより、多角的な視点からの研究の総合化をよりいっそう進展させる結果となった。具体的には、4月にフンボルト大学のハネロ-レ・ショルツ氏を招き、現在の統一ドイツにおける女性をめぐる環境についての講演と討論の機会を持った。これを受けて5月の研究会において保坂は統一ドイツとヨーロッパ統合という二重の統一問題をめぐるドイツの思想的状況についてその最新の動向を分析し、思想的状況と政治的情勢との有機的関連を検討した。9月の研究会では石田が国際政治の立場からドイツで新たな政治理論として注目されているシヴィリアン・パワーについての発表を行った。10月には工藤が日本の対ヨーロッパ投資の動向をドイツを中心にレポートした。11月の研究会には統一ドイツについて著書のある早稲田大学の坪郷氏を招き、ネオナチとドイツの社会情勢についての報告と討論を行った。12月には平島が自著『ドイツ現代政治』について書評会を行った。このように各報告者は分担部分の執筆を急いでいる。本研究の成果はメンバーの共同執筆による論文集『ヨーロッパ・ドイツへの視座』(東大出版会)として95年度中にまとめられる予定である。
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[Publications] 保坂一夫: "散文作家 クリストフ・ハイン" 東大教養学部「外国語科研究紀要」. 43(印刷中). (1995)
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[Publications] 工藤章: "日本企業の直接投資とヨーロッパの経営風土" 対欧直接投資の現状(国際金融情報センター). 49-110 (1994)
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[Publications] 石田勇治: "シヴィリアンパワーの政治学-ポスト冷戦時代のドイツのゆくえ" 文明の衝突か共存か(山内編)(東大出版会). 137-149 (1995)
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[Publications] 田中 純: "ウィトゲンシュタインの扉" 建築文化. 50巻580号. 121-130 (1995)
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[Publications] 平島健司: "ドイツ現代政治" 東京大学出版会, 238 (1994)
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[Publications] 保坂一夫: "Sprachproblematik und asthetische Produktivi-tat in der literarischen Moderne" iudicium(Munchen), 200,(179-192) (1994)
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[Publications] 広渡 清吾,他 共著: "戦争責任,戦後責任-日本とドイツはどう違うか" 朝日新聞社, 272 (1994)