1993 Fiscal Year Annual Research Report
次世代高集積回路(LSI)用クラスターイオン注入装置の試作研究
Project/Area Number |
04555003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 公 京都大学, 工学部, 教授 (00026048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 幸二 日新電機株式会社, 研究開発本部, 課長
松田 耗自 日新電機株式会社, 研究開発本部, 副本部長
山西 健一郎 三菱電機株式会社, 生産技術研究所, 主幹
友田 利正 三菱電機株式会社, 生産技術研究所, 部長
高岡 義寛 京都大学, 工学部, 助教授 (90135525)
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Keywords | イオン注入 / LSI / イオンビーム / クラスターイオン / ラテラルスパッタ効果 / 多体衝突効果 |
Research Abstract |
LSIなどのPN接合の形成には、イオン注入技術が不可欠である。しかし、これらLSIが高密度、高集積化するにつれて極めて浅い接合の形成が要求されている。現在、低エネルギーイオンビームを用いる方法や、化合物ガスを用いて等価的にエネルギーを下げる工夫が行われているが、空間電荷効果のために効率よく大量の低エネルギーイオンビームを作ることは技術的に困難であるばかりでなく、結晶が作る溝(チャネリング)に沿う深い注入が生じるなど多くの問題があり、これらを解決する画期的な方法がないのが現状である。 本装置は、ガス状物質からなるクラスターを発生させ、イオン化した後加速し、これを質量分離して数十〜数百のクラスターからなるイオンビームを取り出し、固体にイオン注入する新しい原理に基づくものである。クラスターイオン注入では、原理的に注入エネルギーはクラスター構成原子数で割った値となり、極めて低エネルギー(加速電圧の1/10〜1/100)のイオンを大電流で発生できる。また、クラスター状原子の固体への衝突過程は、単原子の衝突と原理的に異なり、多体衝突効果をともない等価的に大電流注入(100〜1,000倍)が可能となる。 本年度は、クラスターイオンビーム装置を試作し、クラスターの照射に関する基本データを得た。すなわち、希ガスや分子性ガス(Ar,Co_2)を用い、室温でクラスターイオンビームの形成に成功し、Siなどの固体表面に照射した。また、クラスターイオンと固体との衝突過程を分子動力学法によって計算機シミュレーションし、実験結果との対応を行った。この結果、上述の低エネルギー大電流効果を確認し、装置の基本特性に関するデータを得た。さらに本装置によって低エネルギー多体衝突効果に基づくラテラルスパッタ効果(新現象)が見出され、スパッタが従来イオンと比較して数百倍あることを見出した。これによってさらにイオンビームの応用が広がるものと思われる。従って本装置は、次世代LSIの製作に必要な ・浅いイオン注入 ・表面の原子レベルの平坦化 ・低損傷表面クリーニング ・低エネルギー、高効率スパッタ などのプロセスが可能になり、さらなる応用の展開が期待できる。現在、関連のデータを求めつつ研究を行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] I.Yamada,W.L.Brown,J.A.Northby and M.Sosnowski: "Surface Modification with Gas Cluster Ion Beams" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. B37. 223-226 (1993)
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[Publications] I.Yamada,G.H.Takaoka,M.Current,Y.Yamashita: "Irradiation Effects of Gas-Cluster CO_2 Ion Beams on Si" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. B74. 341-346 (1993)
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[Publications] I.Yamada and G.H.Takaoka: "Ionized Cluster Beams:Physics and Technology" Japanese Journal of Applied Physics. 32. 2121-2141 (1993)
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[Publications] K.Fukushima,G.H.Takaoka and I.Yamada: "Epitaxial Growth of TiO_2 Rutile Thin Films on Sapphire Substrates by a Reactive Ionized Cluster Beam Method" Japanese Journal of Applied Physics. 32. 3561-3565 (1993)
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[Publications] Z.Insepov and I.Yamada: "Molecular-Dynamics Simulation of Metal Surface Sputtering by Energetic Rare-Gas Cluster Impact" Proceedings of 3rd International Union of Materials Research Society International Conference. (1993)
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[Publications] M.Ishii,G.Sugahara,M.Kumagai,G.H.Takaoka,J.Northby and I.Yamada: "Irradiation Effects of Gas-Cluster Ar Ion Beams on Solid Surfaces" Proceedings of 3rd International Union of Materials Research Society International Conference. (1993)