1992 Fiscal Year Annual Research Report
高圧噴射と選択排気再循環の組合せによるディーゼル機関の低汚染化
Project/Area Number |
04555048
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池上 詢 京都大学, 工学部, 教授 (70025914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 欽司 (株)新エイシーイー, 研究部長
山根 浩二 京都大学, 工学部, 助手 (10210501)
塩路 昌宏 京都大学, 工学部, 助教授 (80135524)
|
Keywords | ディーゼル機関 / 高圧噴射 / 排気再循環 / 窒素酸化物低減 / 微粒子低減 / CO_2吸収 / 可視化観察 |
Research Abstract |
ディーゼル機関から排出される微粒子(すすおよび青白煙)と窒素酸化物は環境保全の点から極めて憂慮され,その低減が強く求められている本研究は二酸化炭素などの三原子分子ガス選択排気再循環と電子制御高圧噴射の二つのコンセプトによって微粒子および窒素酸化物を同時低減し高効率なディーゼル燃焼システムを確立することを目的として行った.高圧噴射に関しては,連続噴射ベンチ試験によれば概ね意図とした通りに最高噴射圧力が高く,噴射後期の圧力降下が素早く,これらが機関回転数にほとんど依存しない噴射特性であることが明らかとなった.これにより低速高負荷運転時に排気微粒子を大幅に低減できることが判明した.ただし噴射後期の圧力降下が素早いためにノズルの閉弁が追従できず,それによりノズル内に空洞が発生して,その空洞の圧壊によって二次噴射を生じる場合があるが,管路内容積を若干増すことやノズル開弁圧を高めることでこれを防止することができた.本噴射系を用い可視化用に改造した直接噴射ディーゼル機関とレーザーシート法によって噴射圧力を種々に変更した際のディーゼル燃焼および燃焼室内におけるスート生成状況の可視化観察を行った.その結果,30MPa程度の噴射圧力の場合に見られた燃焼後期のスート粒子雲が75MPa程度でほとんどみられなくなること,噴射圧力を高めてゆくと燃焼が衝撃的になるため高圧化に伴ってノズル噴孔径を小さくしてゆく必要があることがわかった.排気再循環システムに関しては,二酸化炭素の標準ガスの吸収および再生処理を行う簡易装置を用いて,モノエタノールアミン水溶液による二奏化炭素の吸収・再生を確認し,この基礎データから二酸化炭素を吸気に2割程度を混入させる場合アミン水溶液量が多量に必要であることが推定され,実用を前提にした装置の設計には三酸化炭素の吸収速度を増す工夫が必要であり,平成5年度にその具体的な設計・試作を実施する.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 山根 浩二: "スプールの加速を利用した油圧パルスの発生" 日本機械学会論文集・B編. 59-557. 276-281 (1993)
-
[Publications] 池上 詢: "スプールの油圧加速方式による高圧燃料噴射システム" 日本機械学論文集・B編〈エンジンシステム特集号〉. 59-559. (1993)
-
[Publications] M.Ikegami: "A High-Pressure Diesel Fuel Injiction System Using Spool Acceleration and Oil Hammering" SAE Tech.Paper Series,SP-971,NO930599. (1993)