1992 Fiscal Year Annual Research Report
FM(ファミリティマネジメント)による研究室整備の実践的研究
Project/Area Number |
04555142
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
巽 和夫 京都大学, 工学部, 教授 (50025839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 哲弥 清水建設(株), 技術研究所・画技術研究部, 研究員
井上 誠 清水建設(株), 技術研究所・計画技術研究部, 研究員
嶋村 仁志 清水建設(株), 技術研究所・計画技術研究部, 部長
高田 光雄 京都大学, 工学部, 助教授 (30127097)
秋山 哲一 東洋大学, 工学部, 助教授 (30111917)
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Keywords | ファミリティマネジメント / 研究室 / 建築企画 |
Research Abstract |
本研究は、ファイリティマネジメント整備手法を用いて大学研究室を整備する実験とその事後評価を行なうという建築企画手法に関する研究である。本年度は、実験の場となる研究室の現状の使い方ならびに研究員による研究環境評価を行ない、研究室の備えるべき研究環境の条件を整理し、必要な実験器具の設定を行なった。 研究室の構成員の滞在時間、ならびに作業形態を調査する朝型、昼型、夜型執務形態が認められ、フレックスタイム執務態勢が自然に形成されていることが分かった。中には48時間単位で活動する研究員も存在し、一般の執務環境とは異なる要求が認められる。作業内容は読書、資料整理、パソコンオペレーティング、ワープロ、切り貼りなど多岐にわたっており、作業内容に応じて作業を行なう場所を選択していることが、72時間ビデオ分析によっても確認できる。また、各研究員が管理する資料の量については研究歴による差が認められ、共用資料と個別資料に分けて整理することができる。 以上より、個人の机や椅子を持たないフリーアドレス制を採用して備品の数を削減し、研究室の余白率を増大させ、アメニティの高い研究環境を形成する実麗を行なう。従来の研究室整備基準では、情報機器の増加した現在の研究スタイルに対応できないことからダウンサイジングの思想が様々な面においても検討されているが、研究という作業内容の性格上固定席を無くすことが研究内容に何等かの影響を与えることが考えられ、十分な検討を要するため、実験を行ない評価を比較することが重要になる。 次年度に実施するレイアウトの検討に当たっては、需要者参加方式を採用し、コンペ方式で各研究者が潜在的に要求している空間需要を顕在化させることによって、研究環境に対する利用者の意識を高めて、評価精度を高める工夫を行なうなど、実験のための準備を進めてきた。
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