1992 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルプロセスによるメモリー用強誘電体薄膜の作製と特性評価
Project/Area Number |
04555188
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
峠 登 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00081315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 昭彦 松下電器産業(株), 電子化学材料研究所, 研究室長
高橋 雅也 大阪市立工業研究所, 研究員
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学部, 講師 (50137238)
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Keywords | ゾル-ゲル法 / 強誘電体 / 薄膜 / PLZT / Bi_4Ti_3O_<12> / ペロブスカイト相 / 化学修飾 / 微細加工 |
Research Abstract |
近年、強誘電体とトランジスタを組み合わせた強誘電体メモリーが大きな関心を集めている。このようなメモリー用強誘電体薄膜の作製法として、ケミカルプロセスス、特にゾル-ゲル法は非常に有望である。本研究は、ゾル-ゲル法によるチタン酸塩およびジルコン酸塩系強誘電体薄膜の作製プロセスの確立と、メモリー用強誘電体としての特性評価を行うことを目的として行ったものであり、以下のような知見を得た。 (1)酢酸鉛、硝酸ランタン、およびZrとTiのブトキシドを出発原料として、(Ph,La)(Zr,Ti)O_3(PIZT)強誘電体薄膜の作製プロセスを検討した。ZrとTiのブトキシドをアセチルアセトンで化学修飾し、モノエタノールアミンを用いて酢酸鉛のエタノールへの溶解度を高めることにより、大気中のコーティングで透明性の高い薄膜が得られた。 (2)PLZT薄膜を700℃で30分間熱処理することにより、ペロブスカイト単一相となった。膜厚が減少するにつれて残留分極は減少し、抗電場は増加した。このような挙動は、薄厚の減少とともに結晶子のサイズが小さくなることに起因することを明らかにした。 (3)アミン類を含むBi-エトキシドのエタノール溶液と、アセチルアセトンで化学修飾したTiのブトキシドを原料として、Bi_4Ti_3O_<12>強誘電体薄膜を作製した。出発原料の濃度を比較的低くし、加水分解後のエージング時間を長くすることにより、500℃の熱処理でBi_4Ti_3O_<12>単一相が得られた。 (4)β-ジケトンで化学修飾したZrおよびTiのアルコキシドを原料として得られるゲル膜に紫外線を照射すると、キレート結合が解離し、ゲル膜の特性が大きく変化することを見いだした。このような紫外線照射による膜特性の変化とエッチングプロセスを組み合わせると、酸化物薄膜の微細加工が可能であることを実験的に明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 峠 登: "ゾル-ゲル法によるエレクトロニクス用薄膜の作製と特性" 電気化学. 60. 765-770 (1992)
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[Publications] 峠 登: "ゾル-ゲル法による強誘電体薄膜の作製と特性" 科学と工業. 66. 481-486 (1992)
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[Publications] N.Tohge: "Formation and Properties of Ferroelectric Bi_4Ti_3O_<12> Films by the Sol-Gel Process" Jpn.J.Appl.Phys.31. 4016-4017 (1992)