1992 Fiscal Year Annual Research Report
キレート樹脂によるレアメタルの省エネルギー的分離精製法の開発
Project/Area Number |
04555222
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
江川 博明 熊本大学, 工学部, 教授 (50040358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山部 和則 三井金属鉱業(株), 研究開発部, 研究員
小林 純太郎 三井金属鉱業(株), レアメタル事業部, 室長
林 輝美 熊本大学, 工学部, 助手 (70189653)
城 昭典 熊本大学, 工学部, 教授 (40038047)
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Keywords | キレート樹脂 / リン酸型樹脂 / ホスホン酸型樹脂 / ホスフィン酸型樹脂 / アミノメチルホスホン酸型樹脂 / アミドキシム型樹脂 / 希土類イオン / レアメタル |
Research Abstract |
本年度の実施計画に基づき、橋かけ度ならびに物理的細孔構造の異なるリン酸型樹脂(RGP)、ホスフイン酸型樹脂(RSP)、ホスホン酸型樹脂(RSPO,RCSP,RCSPO)、アミドキシム型樹脂(RSNH)、アミノメチルホスホン酸型樹脂(RCSAP)ならびに大環状ポリアミン型樹脂(RGD)を合成し、これらの樹脂の比表面積、細孔構造、イオン交換容量、膨潤度、レアメタル吸着性などの評価を行った。以下、特筆すべき成果を列挙する。 1)アミノメチルホスホン酸型樹脂(RCSAP)において、リン導入量が前駆体の細孔構造ならびにアミノ基分布密度などに大きく左右されることを明かにし、リン含有率11重量パーセントにも達するRCSAPを開発した。この樹脂は、既存のイミノ二酢酸型樹脂ならびにアミノメチルホスホン酸型樹脂に比べて、酸性領域からの希土類イオンならびにウラニルイオンの吸着において、より大きな吸着容量を示す。 2)リン酸型樹脂RGPにおいて、陽イオン交換容量が7meq/g以上にも及ぶ樹脂を開発した。この樹脂は、アルカリ金属イオン相互間の選択性において従来の陽イオン交換樹脂のそれと逆の傾効を示し、リチウムに高選択的である。この樹脂は、地熱発電熱湧水などに含まれるリチウムの分離・回収に有用と考えられる。 3)リンの酸素酸系交換基を有するキレート樹脂(RSP,RSPO,RCSP,RCSPOおよびRGP)が従来の陽イオン交換樹脂とは異なる希土類イオン選択性を示すのみならず、希土類イオンの溶離または分離において安価な塩酸などの鉱酸が利用できることを明かにした。 4)上記3の樹脂は強酸性条件下からモリブデンを高選択的に吸着する。また吸着されたモリブデンは0.2-1M程度のアルカリ溶液で定量的に溶離されることが判った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Jyo: "Chelating Resins Containing 1,4,8,11-Tetraaza- cyclotetradecane-5,7-dione Based on Crosslinked Copolymer Beads of Macroreticular Type" Analytical Sciences. 8. 195-200 (1992)
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[Publications] 江川 博明: "分離科学ハンドブック("II部1章1.3吸着c)キレート樹脂"の節を分担執筆)" 共立出版株式会社, (1993)