1992 Fiscal Year Annual Research Report
作物の近交系統および生態型に特異的なDNAマーカー・ライブラリーの構築
Project/Area Number |
04556002
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
中村 郁郎 国立遺伝学研究所, 実験圃場, 助手 (50207867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 誠司 (株)トーホク, 清原育種農場, 主任研究員
大村 三男 農水省果樹試験場, 興津支場, 室長
佐藤 洋一郎 国立遺伝学研究所, 総合遺伝, 助手 (20145113)
森島 啓子 国立遺伝学研究所, 総合遺伝, 教授 (70000247)
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Keywords | DNAフィンガープリント / 系統進化 / DNAマーカー / PCR |
Research Abstract |
中村は、DNAフィンガープリントを効率良く得るために、現生生物のタンパク質のアミノ酸配列に基づいてプライマーをデザインするためのプログラムを考案した。アミノ酸配列はDNA配列を反映していると考えられるのでコドンの使用頻度、GC含量、相補配列などを考慮すると目的とする生物に適したプライマーをデザインできると考えられる。また、プライマーの長さは、さまざまな機構のPCR反応機にも利用できることおよび経済性を考慮しロマーに統一することにした。次に、このプログラムを用いてデザインした12個のプライマーを試作して、班員を含む20箇所の異なる研究グループに送付して種々の植物から抽出したDNAを用いてDNAフィンガープリントが作成できるかどうか評価して頂いているところである。現在までに回答を頂いた研究グループからは、おおむね種や品種レベルの判定には有効であり、ランダム配列のプライマーよりも良好な結果が得られるとの評価を頂いている。現在、前述したプログラムを用いてさらに多数のプライマーをデザインしており研究者に多数のプライマーを安価で供給できるように計画しているところである。 班員の森島は、野生イネ系統を分類するためのDNAマーカーを多数見いだした。佐藤は、インド型および日本型の栽培イネにそれぞれ特異的なDNAマーカーを見いだしている。さらに、DNAマーカーを組み合わせることにより、これまでほかのマーカーでは識別できなかった熱帯日本型のイネを識別することができるようになった。大村は、カンキツ類の分類に適するDNAマーカーを多数見いだすことに成功しており、種分化に関する考察を進めている。松浦は、キュウリのF1品種を識別するためのDNAマーカーを探索しており、すでに実用化できる段階にある。
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