1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04556021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有馬 孝礼 東京大学, 農学部, 助教授 (10144057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 英男 (株)富士鋼業, 技術部長
山田 誠 日本住宅, 木材技術センター, 研究員
鴛海 四郎 日本住宅, 木材技術センター, 研究員
信田 聡 東京大学, 農学部, 助手 (00201541)
鈴木 滋彦 静岡大学, 農学部, 助手 (40115449)
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Keywords | 木質資源 / 解体材 / リサイクル / チップ / 炭化 / 精練 / 段階型炭化 / 木造住宅 |
Research Abstract |
本研究は異物混入の廃材の各種形態のチップ化と炭素固定資源としての段階的な炭製造を基本処理法として冷置ずけ、チップと炭の利用開発を考慮した基本性能について検討することにしている。今年度までに明かになった点は以下の通りである。 (1)木質資源のリサイクルの現状調査によると建築解体現場や住宅建設現場で発生した木材や不用になった家具など都市から排出される木材は木材工業で行われている木くずのカスケード型利用とちがって、再資源化、再生利用にむけての市場の状況は厳しく、複雑で、抱える問題は大きい。しかしながら、木質資源の廃棄物は生態系への影響が少ないという事実は再資源化、再生利用への多角的な組み合わせ技術と集荷、選別、処理システムの整備の重要さをより示している。 (2)解体材として廃棄されたとしても木材工業における原料形態になっていれば、その利用上の技術的な問題はほとんどない。しかしながら集荷経路の複雑さと解体材や型枠廃材などは異物混入が多彩になってきており、従来のような選別では不十分で、チップの形態や異物除去なども区分が必要で、解体材と新材の混合比率による性能とそれに適した用途も同時に考えることが必要である。 (3)家屋の解体廃棄木材の中心と考えられる柱や母屋角の各種寸法の炭化について、比較的簡易な炭化装置を用い検討した。温度を材中に埋め込んだ熱電対で炭化状況を追跡し、温度制御による段階型炭化が可能であることを確認した。 (4)精練温度の異なる炭を真空中で製造し、その吸湿性能を比較した。予想されたように高い精練温度は吸湿性を高める。比較的量をこなし、分解ガスの生じる400度程度の炭化と精練による機能付与する炭化とは区分した方が好ましい可能性がある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 有馬,孝礼: "木材利用による炭素貯蔵,住宅生産におけるCO_2放出と" 森林文化研究. 13. 109-119 (1992)
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[Publications] 有馬 孝礼(分担): "木造住宅の解体・廃棄とカスケード型利用木材学会分科会報告(1993)" 日本木材学会, 11 (1993)