1993 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学・環境化学の手法を用いた赤潮鞭毛藻シスト発芽制御法の開発
Project/Area Number |
04556029
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
奥谷 康一 香川大学, 農学部, 教授 (00036013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 茂行 香川大学, 農学部, 教授 (50116894)
門谷 茂 香川大学, 農学部, 助教授 (30136288)
岡崎 勝一郎 香川大学, 農学部, 助教授 (60109733)
岡市 友利 香川大学, 学長 (90035965)
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Keywords | 赤潮 / 渦鞭毛藻 / シスト / モノクローナル抗体 / DNA / フィンガープリント / 多糖 / 硫酸ガラクタン |
Research Abstract |
平成5年度は、以下のような研究実績を得た。 2種の海産渦鞭毛藻(Alexandrium catenellaとScrippsiella trochoidea)の生活史環における細胞内核酸関連物質の変化過程を明らかにした。これらの2種とも、シスト中の核酸関連物質が定常期の栄養細胞中のそれより多く、シストが接合によって生じていることを示唆した。細胞の活性の一つの指標であるエネジーチャージ値は両種とも培地に接種直後、急に上昇した。このことは鞭毛藻類は新しい培地環境下におかれた場合、速やかに自らの代謝機能を増進させることが可能であることを示唆している。またシスト中のエネジーチャージ値は栄養細胞のそれより低かったことからシストの代謝レベルは栄養細胞よりかなり押さえられていることを明らかにした。 Scrippsiella trochoideaのシストにたいするモノクローナル抗体を取得するため、2回の融合実験を行った。その結果、昨年度の成果と併せIgM,IgGクラスの抗体を産生する5株の細胞を確立できた。今後は両クラスの抗体を組み合わせたサンドイッチELISA法により高感度なシストの検出や定量が可能であるのでビオチン標識抗体を調製するため、現在IgMクラスの抗体を培養上清から精製している。 DNAフィンガープリントを赤潮藻体及びシストから得るための予備実験を環境した。土壌微生物を用いた予備実験では同種の59菌株がすべて異なったフィンガープリントを示し、微細なDNA構造変化を検討するのに有望であると判断された。 Gymnodium属微細藻の生産する多糖を電気泳動的に均一な標品にまで精製し、構造を検討したところ、構成単糖にはガラクトースのみが認められ、ガラクトースと硫酸基からなる硫酸ガラクタンと推定された。
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Research Products
(1 results)