1994 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学・環境化学の手法を用いた赤潮鞭毛藻シスト発芽制御法の開発
Project/Area Number |
04556029
|
Research Institution | KAGAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
奥谷 康一 香川大学, 農学部, 教授 (00036013)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 茂行 香川大学, 農学部, 教授 (50116894)
門谷 茂 香川大学, 農学部, 教授 (30136288)
岡崎 勝一郎 香川大学, 農学部, 教授 (60109733)
|
Keywords | Phytoplankton / Red tide / DNA fingerprint / Monoclonalantibody / polysaccharide / cyst / Chaftonela / Scripssiella |
Research Abstract |
研究最終年度であるので、試験研究の目的に対応した成果がえらえるよう配慮した。具体的には 1.播磨灘で得られた柱状堆積物試料を用いて過去数百年の海域環境の変遷と、それに伴うシャトネラシストの分布を明らかにする目的で実験を行った。その結果、シャトネラシツト数は、1900年前後から急増しており、海域の富栄養化と共にシャットネラがそのバイオマスを増大させてきた過去が認められた。しかし、1960-1970年をピークに、その後のシスト数は大きく減少していた。また1700年頃にもシスト数の小さなピークがあること、さらに少なくとも1600年代には、既にシャットネラが播磨灘に生息していたことも明らかになった。 2.赤潮鞭毛藻シストの識別及び定量に応用することを目的として、Scrippsiella trochoideaのシストに対する5種類のマウスモノクローナル抗体(IgG型2種類とIgM型3種類)を作成した。これらの抗体はいずれもシスト表面に存在するスパイン(角状突起)と特異的に反応したが、栄養細胞には反応しなかった。また、パーオキシダーゼ標識精製抗体を用いた酵素免疫測定法による海泥中のシストの定量と検出法が開発できた。 3.Chattonella marina2種、Chattonella antiqua2種、種未同定のChattonella1種、Alexandrium catenella、Scrippsiella trochoidea、 Heterosigma akashiwoの8種を純粋培養し、DNAを抽出後、フィンガープリント分析を行った。このDNA抽出にはSDA-boiling法を用いた。8塩基及び12塩基長の市販プライマーを用いて最適と思われる条件でPCRを行ない、増幅産物はUrea-PAGE後銀染色を行いバンドを分析した。この結果、各プランクトンの識別に有効であろうと考えられるバンドを同定することが出来た。 4.海産微小藻類Gymunodium A3及びCocholodinium polykrikoidesが生産する酸性多糖の精製及び構造決定を行った。エタノール、Cetavlon沈殿で分画し、DEAEカラムクロマトグラフィーで精製した多糖画分、A-1とA-2は超遠心及び電気泳動的に均一であり、フコース、マンノ-ズ、ガラクトース、クルコース及びガラクツロン酸からなる事が確認できた。硫酸基は7-8%含まれていた。この多糖はCC_<50>100μg/mlで培養細胞に毒性を示さなかった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Meksumpun S.et al.: "Elemental components of cyst walls." Phycologia. 33. 275-280 (1994)
-
[Publications] Montani S.et al.: "Chemical and Physical treatmento for destruction of cysts." Journal of Marine Biotechnology. 2(in press). (1995)