1993 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線を用いた土壌の間隙構造・透水現象の可視化システム開発に関する研究
Project/Area Number |
04556033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸山 利輔 京都大学, 農学部, 教授 (90026451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 也寸志 島根大学, 農学部, 助手 (80252899)
堀野 治彦 京都大学, 農学部, 助手 (30212202)
渡邉 紹裕 京都大学, 農学部, 助教授 (50175105)
久馬 一剛 京都大学, 農学部, 教授 (80027581)
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Keywords | 透水・排水 / 土壌間隙 / 根成孔隙 / 軟X線 / 画像処理 / ステレオ撮影 / 三次元構造 |
Research Abstract |
側方照射型軟X線非破壊検査装置を用いて、水田土壌の透水・排水現象の可視化及びその評価を試みた。 はじめに、透水・排水試験装置を開発した。これは、透水・排水試験を行い、透水係数や排水量などの水分移動に関する諸定数を得ると同時に、造影剤を利用してその水移動経路も撮影可能にしたものである。更に高感度X線フィルムを使用して撮影時間を従来の1/5にし、水移動経路を現象の変化ごとに適宜撮影した。また、1インチX線TVカメラにより、リアルタイムの水移動も記録した。次いで、それらの写真の画像差分を行って現象の変化部分のみを抽出し、水移動現象を評価することを試みた。 以上から、土壌中の透水・排水現象を可視化すること、及び土壌の軟X線透過写真と土壌水分移動に関する諸定数を結び付けることに成功した。また、画像処理によって土壌水分の移動部分のみを抽出することに成功した。 次に、土壌中の孔隙の三次元座標を求めることを試みた。 まず、土壌中の実効焦点の大きさ影像に及ぼす影響を調べた。その結果、焦点が小さい方が陰影は鮮明であり、形状を定量的に認識する場合に有効である事が示された。そして、測定時に生じる誤差の程度について検討した。 次に、孔隙の三次元座標を求めるためのシステムを開発した。そこで用いる画像は、供試土壌の移動を機械的に制御してステレオ撮影したものである。この画像を画像処理装置に取り込んで、孔隙の三次元座標を自動的に認識するプログラムを作成し、針金による疑似孔隙画像に適用して、その有用性を確認した。更に、画像中の陰影の同定を人間自身が行うプログラムも作成し、確実に三次元構造を求めることが出来、孔隙の形状を定量的に把握出来ることを確認した。
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