1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557016
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森 正敬 熊本大学, 医学部, 教授 (40009650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 秀敏 (株)国際試薬, 研究開発部, 研究員
渡津 吉史 (株)国際試薬, 研究開発部, 課長
藤山 重俊 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (20109656)
滝口 正樹 熊本大学, 医学部, 助教授 (40179578)
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Keywords | オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ / 尿素サイクル / ミトコンドリア / 酵素免疫測定法 / 肝疾患 / 肝機能検査 |
Research Abstract |
オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(OCT)は、肝ミトコンドリアに局在し、肝障害時に血清中に上昇することが知られている。アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)やアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)に比し肝特異性が高く、肝疾患の酵素診断法として理想的ではあるが、活性測定が煩雑であまり使用されていない。そこで、高力価でヒトOCTとよく反応する抗ウシOCT抗体を用いて、高感度のOCTの酵素免疫測定法(ELISA法)を確立し、臨床応用の可能性を検討した。本法で測定したOCT蛋白量は、OCT活性と良い相関を示した。健常献血者の血清OCT値には、性差および年令差がみられ、正常上限値を男性23ng eqivalent(Eq)/ml(ウシOCTを標準抗原に用いた時の値)、女性8ng Eq/ml、全体で16ng Eq/mlとした。肝疾患患者においては、OCT値は肝性脳症、acute on chronicなどで著明に上昇、慢性肝炎、肝硬変、肝癌などで中等度に上昇した。主要肝疾患での異常OCT値の出現率は、AST、ALT値とほぼ同率またはやや高率であった。また、AST、ALT、ミトコンドリア型AST、グルタミン酸脱水素酵素、γ-グルタミルトランスペプチダーゼなどとの相関がみられた。経過観察し得た症例では、AST、ALT値とほぼ同様の変動がみられたが、それらよりもやや早期に低下した。以上、本ELISA法によるOCTの測定は、従来の活性測定に比べ高感度で簡便であり、肝疾患のスクリーニング検査として、また経時的変動をみる際の指標としての有用性を示した。
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[Publications] Yingjie Yu et al.: "Preparation of recombinant argininosuccinate synthetase and argininosuccinate lyase:Expression of the enzymes in rat tissues" (印刷中).
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[Publications] Watanabe,Y.et al.: "A sensitive exzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) of serum ornithine carbamoyltransferase" Enzyme & Protein. (印刷中).
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[Publications] Watanabe,Y.et al.: "Clinical evaluation of serum ornithine carbamoyltransferase by enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) in patients with liver diseases" Enzyme & Protein. (印刷中).