1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557023
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
青木 克己 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90039925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 義則 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (50229738)
藤巻 康教 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (10209083)
北川 常廣 長崎大学, 薬学部, 教授 (70039634)
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Keywords | 抗糸状虫剤 / ジエチルカルバマジン / イベルメクチン / 血中濃度測定法 / 開発 / ELISA / 駆虫効果 |
Research Abstract |
本研究目的は1)抗糸状虫剤ジエチルカルバマジン(DEC)とイベルメクチン(IVM)の簡便かつ高感度な血中濃度測定法を開発し、2)この方法を利用して新しい糸状虫症の集団治療法として期待されているDECとIVMの効果的併用法を検討することである。 本年度は計画の最終年度に当り、下記する最終年度に予定されていた実験とともに初年度に開発したIVM測定法の改良も行った。 1)毒性試験:スナネズミにDEC 300mg/kg+IVM 3mg/kg投与後2時間と1週間に急性毒性をDEC200mg/kg+IVM 2mg/kg×10日間投与後1年後に慢性毒性を調べた。我々が開発したELISAで組織中に沈着する薬物量を測定し、また組織の病理学的検討を行った。投与後2時間では各組織にある程度DECもIVMモ認められたが、1週間目および1年後には全く検出されなかった。病理変化も全く観察されなかった。 2)DECの血中濃度維持時間を延長させる試み 尿のpHをあげればDECが尿管より再吸収され血中濃度が長く維持されることが考えられる。尿のpHをあげるには重曹を投与すればよい、幸いケニア中央医学研究所においてバンクロフト糸状虫症患者の治療研究に参加する機会を得て重曹併用によるDECの血中濃度維持時間延長の臨床試験を行った。重曹を投与(75mg)することでDEC 6mg/kg投与時の血中濃度は単独投与に比し1.5倍(300ng/ml)となり、血中での維持時間も2倍(8時間)とのびた。重曹併用はDECの駆虫効果をあげることが考えられる。 3)IVMの血中濃度測定法の改良:初年度に開発したELISAはやや検出限界が悪かったので、感度をあげる為にIVM-Biotin,Avidin-Peroxidase複合体を用いた競合ELISAを試みた結果,0.1〜10ng/mlのIVMが簡便に測定できるELISAの開発に成功した。 この方法を用いてスナネズミ体内でのIVMの動力学を調べた結果、腸管循環があることが明らかとなった。
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