アトピー遺伝子座の決定とその社会医学的スクリーニングへの応用法の確立

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04557029
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 江副 智子 大阪大学, 医学部, 助手 (40232954) ; 竹内 亨 大阪大学, 医学部, 助手 (00188161) ; 丸山 総一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70219567) ; 竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310) ; 白川 太郎 大阪大学, 医学部, 助手 (40196613)
• Keywords: アトピー / アレルギー / 喫煙 / イムノグロブリンE / 超合金 / ライフスタイル / スクリーニング

Research Abstract

血清中の総IgEレベルをアレルギー反応の指標として、ライフスタイル(17項目の日常生活習慣)がどのようなIgEレベルに影響を及ぼすかを検討した。さらにこれら日常生活習慣のうち最も大きな感受性の決定要因であった喫煙習慣と超合金の吸入曝露がそれぞれIgEレベレにいかなる影響を及ぼすかについて検討した。その結果ライフスタイルの健康的な者ほど血清中総IgEレベルが正常値域にある可能性が有意に高かった。また、コバルトを含む超合金に対して曝露歴のある者の方が曝露歴の無い方より有意に高いIgEレベルを示したが、一方で喫煙の有無はこれら超合金曝露の有無にかかわらず有意にIgEレベルを上昇させた。血清中IgEレベルを指標にする限り喫煙と超合金曝露は双方ともIgEレベルを有意に上昇させる要因として独立に動いている事が示唆された。今回の解析では除外したアトピー素因保有者及びIgEレベルが400以上の高IgE値保有者においては、上に述べた諸環境要因のみならず、遺伝要因の関与も大きいことが考えられる。今後はこれらアレルギー発症のハイリスクグループを対象として、高感受性の分子遺伝学的機構の解明を行いたい。又超合金などの各環境要因に特異的なIgEレベルを測定して、その決定要因の解析を行う予定である。一方アトピー遺伝子の社会医学的スクリーニングの実施に備えて、微量血液の保存とDNA抽出、さらにPCRの諸条件について予備的検討を行い、それぞれ最適の条件・方法について一定の知見を得ることができた。

Research Products

• [Publications] T.Shirakawa and K.Morimoto: "Lifestyle effect on total IgE Lifestyles have a cumulative impact on controlling totalIgElevels" Allergy. 46. 561-569 (1991)
• [Publications] T.Shirakawa,Y.Kusaka and K.Morimoto: "Specific Ige antibodies to nickel in workers with known reactivity to cobalt" Clinical and Experimental Allergy. 22. 213-218 (1992)
• [Publications] Y.Kusaka,H,Kondou and K.Morimoto: "Healty lifestyles are associated with higher natural killer cell activity" Preventive Medeicine. 21. 602-615 (1992)
• [Publications] Y.Kusaka and K.Morimoto: "A Pilot Study to evaluate Japanese standard radiographs of pneumocomioses(1982)according to the ILO(1980) international classification of radiographs of pneumoconioses" Ann.Occup.Hyg.36. 425-431 (1992)
• [Publications] T.Shitakawa,Y.Kusaka and K.Morimto: "Combined effect of smoking habits and occupational exposure to hard metal on total IgE antibodies" Chest. 101. 1569-1576 (1992)
• [Publications] 森本 兼曩,白川 太郎,日下 克則,近藤 弘: "ライフスタイルと免疫学的防御機構" ライフサイエンス出版株式会社, 7 (1992)
• [Publications] T.Taniawa,S.Araki,K.Morimoto and K.Yakoyama: "Behavioral Medicine:An integrated biobehavioral approach to health and illness" Elsevier Science Publishers B.V., 6 (1992)