1993 Fiscal Year Annual Research Report
元素分析装置CHNコーダーによる喫飲食及び大便中の栄養素量推定に関する研究
Project/Area Number |
04557030
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
菅原 和夫 弘前大学, 医学部, 教授 (80136788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊江 隆 国立公家衛生院, 労働衛生学部, 室長 (40145363)
中路 重之 弘前大学, 医学部, 講師 (10192220)
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Keywords | 栄養素 / CHNコーダー |
Research Abstract |
栄養摂取量と成人病特に大腸癌の発生との間には関連性があるといわれている。しかし,従来の栄養素摂取量測定法では時間と費用がかかり,対象者の多い公衆衛生の場で実際に実施することは困難であった。本研究では、1検体あたり10分位で測定できる元素分析装置CHNコーダーを用いて喫食物,大便を試料とし,試料中の炭素,水素,及び窒素量を測定し,公定法で測定した栄養素量とよく相関する推定式を確立することを目的とする。この推定式が実用化すれば,従来困難であった個人レベルの栄養素摂取量の把握が公衆衛生の場でも可能となる。 これまでの研究経過としては,平成4年度は,喫食物及び大便の標準的試料を作成し,採取と分析のための前処理及び試料の保存に関する検討を行った。また,元素分析装置CHNコーダーによる標準的試料中の炭素,水素,窒素の測定値と他施設(九州大学中央元素分析センター)との比較を行い,良好な相関が得られた。 そこで,平成5年度は,当初の計画通り,標準的試料中の栄養素量の公定法による測定を行い,これと元素分析装置CHNコーダーの測定値から栄養素量推定式の作成を試みた。このために使用した標準的試料中の数は約50であった。推定式はほぼ完成されたが,現在最終段階の調整中である。また,実際に住民より喫食物及び大便を買上げて収集し,分析のための前処理を行った。現在あわせて約150サンプルを凍結保存中である。 以上のように,研究は現在のところ順調に計画通りに進行中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 棟方昭博: "食物繊維と便通" MONTHLY BOOK Gastro.2(12). 88-93 (1992)
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[Publications] 工藤恵美子: "ヒト微量血からの新しい好中球分離法の検討" 日本衛生学雑誌. 47(2). 650-657 (1992)
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[Publications] 相沢中: "胃集検併行大腸がん集団検診-大腸がん検診の効果判定のための死亡統計の有用性に関する検討-" 厚生省がん研究助成金による「大腸がん集団検診の組織化と適性化に関する研究」平成4年度研究報告. 16-21 (1993)
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[Publications] 棟方昭博: "大腸癌/ガイダンス 大腸癌の疫学-世界,日本-" Modern Physician. 13(3)」. 267-271 (1993)
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[Publications] 中路重之: "一般住民における便通,便硬廣と食品,嗜好品摂取との関連性" 日本大腸肛門病学会雑誌. 46(3). 225-239 (1993)
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[Publications] 中路重之: "青森県一般住民の食物繊維の摂取量及び摂取パターンに関する検討" 日本衛生学雑誌. 48(2). 628-637 (1993)