1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557047
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
窪田 和雄 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 雅夫 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (10006083)
石渡 喜一 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (50143037)
山田 進 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (70182532)
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Keywords | ポジトロン断層 / 腫瘍診断 / 悪性度 / 転移能 / 糖鎖代謝 / ^<18>Fフルオロアセチルグルコサミン / アミノ酸輸送 / ^<18>Fフルオロフェニルアラニン |
Research Abstract |
ポジトロン断層を用いて、単に癌が存在するだけでなく、どういう性質の癌であるか、特に転移能、悪性度に関する診断を目標として、平成4年度より基礎研究を行っている。これまでの研究で、細胞膜の糖鎖代謝の指標を考えらえる^<18>Fフルオロアセチルグルコサミンの腫瘍集積が、癌転移能の高いメラノーマで亢進していることが明らかになった。また、アミノ酸トレーサーの腫瘍集積も、転移能の高い細胞系で高いことがわかった。アミノ酸トレーサーの腫瘍集積機序を調べるために、タンパク合成阻害剤を用いた実験を行った結果、^<14>Cロイシンの腫瘍集積はタンポク合成に依存しているが、^3Hメチオニンと^<18>Fフルオロタイロシンは、膜のアミノ酸輸送に依存していることが明らかになった。 そこで本年は、メチオニンと同じ中性アミノ酸の輸送システムにより膜輸送が行われ、代謝が遅いことから、アミノ酸輸送の指標であることが示されている^<18>Fフルオロフェニルアラニン(FPhe)の腫瘍診断能を調べ、^<14>Cメチオニン(Met)・^3Hチミジン(Thd)と比較した。ラットにAH109A腫瘍を移植し、移植8日目にトレーサーの体内分布を調べた。腫瘍集積は、FPheとMetで差はなく、Thdは低かった。FPheはMetと異なり、肝、小腸、腎への集積が腫瘍より低く、腹部腫瘍陽性描出の可能性を示した。腫瘍にコバルト60による放射線治療20Gy施行後、1、3、6日目に腫瘍へのトレーサー集積(投与1時間後)の変化を比較したところ、FPheは、Met・Thdと同様、極めて鋭敏に治療後の集積低下を示した。オートラジオグラフィ(ARG)で腫瘍内のトレーサー分布を比較すると、FPheとMetは全く同一の、FPheとThdは極めて類似した、腫瘍細胞への選択性の高い分布を示した。全身ARGでも、腫瘍は明瞭に描出された。^<11>Cよりも半減期の長い^<18>Fで標識されたFPheは、施設外供給も可能であり、有望な全身の腫瘍診断薬である。
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[Publications] Kubota K,Ishiwata K: "Investigatin of tumor invasion with ^<111>In-antimyosin." Nuclear Medicine and Biology. 21. 239-244 (1994)
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[Publications] Kubota R,Kubota K,Yamada S,Tada M: "Active and passive mechanisms of (F-18)fluorodeoxyglucose uptake by proliferating and prenecrotic caner cells in vivo." Journal of Nuclear Medicine. 35. 1067-1075 (1994)
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[Publications] Kubota K,Ishiwata K,Kubota R,Yamada S: "Tissue distribution of (18F)fluorophenylalanine and L-(methyl-14C)Methionine." CYRIC Annual Report Tohoku University. 93. 100-102 (1994)
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[Publications] Kubota K,Kubota R,Yamada S,TadaM,: "Time course study of 3H-DG uptake by tumors at cellular level." CYRIC Annual Report Tohoku University. 93. 140-142 (1994)
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[Publications] Yamada s,Kubota K,Kubota R,Ido T: "Hifh accumulation of fluorina-18-fluorodexyglucose in turpentine-induced inflammatory tissue." Journal of Nuclear Medicine. 36(in press). (1995)
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[Publications] Yamada S,Kubota K,Kubota R,Tamahashi N: "Quantitative microautoradigraphic study of 18F-FDG in experimental inflammatory tissue." CYRIC Annual Report Tohoku University. 93. 150-154 (1994)