1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557053
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
阿部 力哉 福島県立医科大学, 第二外科, 教授 (70004629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦住 幸治郎 福島県立医科大学, 第二外科, 助手 (90203603)
君島 伊造 福島県立医科大学, 第二外科, 講師 (00161547)
尾股 定夫 日本大学, 工学部, 助教授 (90060186)
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Keywords | 知覚用触覚センサ / 乳腺腫瘍 / 圧電素子 |
Research Abstract |
本年度は主として機械の開発および乳癌症例に対してその測定を行い基礎的なdataの収集を行った。機械の開発に関しては一個の圧電素子センサからなる触覚センサのセットを試作した。この装置から得られる情報は、一定の圧で接触させたときの圧電素子の振動数変化から得られる硬さの情報と、センサ部の変位から得られる硬さの情報の二つである。それを実際の患者の乳房に用いて硬さの測定を行った。患者の腫瘍直上の皮膚と、対側乳房のmirror image部とを比較した。まだdata収集の段階だが乳癌と対側乳腺の硬さはほとんどの場合で明らかに区別可能であった。症例により振動数変化にともなう情報が優位なことがあり、センサ変位の情報が優位の場合があった。乳癌の場合典型的な硬癌では皮膚の上から触れる硬さはむしろ脂肪様に柔らかく触れることが多く、さらに皮膚硬さが患者によって、また年齢の要因も加わってまちまちであり触覚センサで得られる情報はこれらが複雑に組合わされたものであるといえる。したがって腫瘍のみの情報を拾い出す際には次のようないくつかの問題点があることが明かとなった。問題点:皮膚の硬さは人によってかなりの相違があることから予め皮膚の硬さを評価しておく必要がある。また乳腺内に留まる腫瘍は可動性が極めて良好であるため測定時に皮膚の上から固定して腫瘍が逃げないように(動かないように)固定する必要がある。測定時の固定によって皮膚の緊張が高まればその情報を腫瘍の硬度の一部として評価してしまう危険がある。これらの点を乗り越えるために次のような方法を検討中である。改良の必要な点:1)センサ接触を一定の条件(接触圧等)でおこなう。2)測定時に一定の圧をかけたときに腫瘍が逃げてしまわないように固定する。このとき腫瘍直上の皮膚の緊張を一定にする。これらの問題点の解決のためにセンサを工業用ロボットに取り付けて測定することを現在検討中である。
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Research Products
(1 results)