1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557053
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Research Institution | FUKUSHIMA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
阿部 力哉 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70004629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦住 幸治郎 医学部, 助手 (90203603)
君島 伊造 医学部, 講師 (00161547)
尾股 定夫 日本大学, 工学部, 助教授 (90060186)
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Keywords | 硬さセンサー / 発振セラミックセンサー / 周波数変動 / STIFFNESS |
Research Abstract |
臨床における診断手段として触診は特に表在臓器の腫瘍の質的診断上極めて重要であることは明らかであるが、その感覚が非常に微妙なため定量化されてはいない。1989年日本大学工学部の尾股らは対象の硬さの質感や周囲との相対的な差異を定量的に測定しえる硬さセンサーを開発した。その概要は発振セラミックスセンサーが対象物との接触によっておこり、その対象固有の硬さを示す"周波数変動(以下Δf)"とセンサーの対象への加重に対する弾性及び塑性を示し、対象の抵抗による"センサー自体の上下動変位"の2つをパラメータとして用いたシステムで当教室ではそのシステムを用いて生体表面からの乳癌(腫瘍径1.0cmから4.8cm,腫瘍深度最浅部3mmから10mm)の測定を正常部と比較しながら行った。その結果、性状は問わず腫瘍知覚と言う点において変位の陽性率は90%というデータを得たが、それに対してΔfは腫瘍と周囲組織の影響を含めた組織形態を反映するため一概に触感の硬いと思われている腫瘍が生体表面からの測定deデータ上硬いと同定されないことが強く示唆された。そこでその理由を探るべく変位をSTIFFNESS(g/cm)に、センサーも小型なものに変え新鮮切除標本の断面の硬さを測定する装置を新たに用い構成組織毎に測定し病理組織型との対応を含めて検討を加えたところ両パラメータとも腫瘍、乳腺、脂肪の硬さの鑑別、更には硬癌が乳癌の主要な組織型の中では最も硬く、粘度癌は脂肪組織、乳腺組織と同等の硬度であることが客観的な数値として表され、腫瘍近傍と遠位の乳腺、脂肪の硬さに差があった。このことは前述の生体表面からの測定でΔfが腫瘍近傍の組織の影響を受けている可能性を示唆した。
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