1992 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン遺伝子と膵B細胞特異的リンパ球を用いるI型糖尿病の遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
04557132
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
板倉 光夫 徳島大学, 医学部, 客員教授 (60134227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小海 康夫 国立小児病院小児医療研究センター, 病理, 室長 (20178239)
宮崎 純一 東京大学, 医学部, 客員教授 (10200156)
姫野 國祐 徳島大学, 医学部, 教授 (50112339)
岩花 弘之 徳島大学, 医学部, 寄附講座教員(助手相
吉本 勝彦 徳島大学, 医学部, 客員助教授 (90201863)
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Keywords | 遺伝子治療 / サイトカイン / 糖尿病 / 自己免疫疾患 / インターロイキン10 / インターフェロンγ / Tリンパ球 / レトロウィルスベクター |
Research Abstract |
インターロイキン(IL)10を、膵臓のランゲルハンス島(膵ラ島)B細胞ではなくA細胞に発現するNODトランスジェニックスマウスを作製した。11匹のfounder miceを得た。内、4匹は雄で7匹は雌であった。4匹の雄の内3匹が、また7匹の雌の内2匹が8週齢以内で糖尿病を発症した。解剖した雄1匹では、高度の膵島炎が認められた。現在、NOD、SCID-NOD、C57BL/6、Balb/cマウスに交配中である。さらに、インターフェロン(IFN)γをA細胞に発現するトランスジェニックスマウスをBDF1マウスで作製し、2匹のfounder miceを得た。現在のところ、糖尿病の発症を認めず、NOD、C57BL/6、Balb/cマウスに交配中である。 膵ラ島B細胞に特異性を有するNODマウス由来の培養Tリンパ球細胞株を養子移入し、さらにサイクロホスファミドを投与することにより膵島炎と糖尿病を招来することを確認した。これらの膵ラ島B細胞に特異的なTリンパ球株を用いて、膵ラ島B細胞の局所においてIL-10、IFNγのサイトカインを発現させるためのベクターを構築した。レトロウイルスのプロモーター、およびSRαプロモーターを含むレトロウイルスベクターと、パピローマウイルス由来の配列を持ち、染色体外のコピー数が50-100/細胞と多いことにより発現の強いプラスミドpBCMGS-Neoに、それぞれマウスIL10とIFNγのcDNA遺伝子を挿入した。これらのベクターを培養Tリンパ球株に導入し、サイトカインの発現が最も高い株をクローン化する実験を遂行中である。このTリンパ球株をI型糖尿病を発症する前のNODマウスに移植し、膵ラ島B細胞の自己免疫的破壊が阻止あるいは増強されるか否かを検討する。 以上より、I型糖尿病の自己免疫機序を調節するサイトカインの影響を解明し、サイトカイン遺伝子と膵B細胞特異的Tリンパ球株を用いたI型糖尿病の体細胞遺伝子治療の動物モデルを開発する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yasushi Kawakami: "Somatic Gene Therapy for Diabetes with an Immunological Safety System for Complete Removal of Transplanted Cells" Diabetes. 41. 956-961 (1992)
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[Publications] Kiyoshi Kunika: "Physiologic Concentrations of Inorganic Phosphate Accelerate Fructosamine Synthesis." Diabetes Research and Clinical Practice. 17. 9-16 (1992)
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[Publications] Hiroko Tomizawa: "Association of Elastin Glycation with Calcium Deposit in Diabetic Rat Aorta." Diabetes Research and Clinical Practice. (1993)