1992 Fiscal Year Annual Research Report
密閉系・変位可変型動的粘弾性装置開発による食品非線形・大変形挙動の解析
Project/Area Number |
04558017
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
勝田 啓子 新潟大学, 教育学部, 助教授 (50093555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 孝芳 京都大学, 工学部, 助手 (70026144)
早川 功 九州大学, 農学部, 助教授 (30038252)
西成 勝好 大阪市立大学, 生活科学部, 教授
松本 幸雄 大阪府立大学, 農学部, 教授 (70081502)
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Keywords | 動的粘弾性装置 / 密閉系 / 線形性 / 周波数分散 / RCP法 |
Research Abstract |
卵白泡沫系、小麦ドウ、多糖類げル、タンパク質ゲルの動的および静的粘弾性測定により、食品は濃厚分散系であり、不均質な多成分系であるため、顕著な非線形生に示すことが確認された。そして、食品および食品素材が非平衡系であることが、現在の市販動的粘弾性測定機での測定の困難さを引き起こすことが明らかになった。特に、周波数分散を測定する場合、測定の間に試料に経時変化が起こっており、正確な周波数分散が得られないというのが、現有機そして現市販機の致命的欠陥であることも明らかにできた。 そこで、食品の自然な加熱過程での粘弾性変化を正確に追跡するために、測定中の試料の乾燥防止のための密閉系装置を開発すると共に、RCP(レイズド・コサイン・パルス)法の導入を検討し、マヨネーズおよびトマト・ケチャップなどの濃厚分散系試料は変形量20%以内であれば線形性を示し、RCP法での測定が可能であることが判明した。RCP法による測定では、従来の振動による測定とは異なり、各々の周波数での測定を行う事なく1回のコサイン・パルス(1秒)を与えるだけで動的粘弾性値の算出が可能である。現在、8周期(8秒)までのパルス応答で、1decadeの周波数分散を正確に測定できるようになっており、測定に要する時間を大幅に短縮することが可能で、食品の加熱中の粘弾性挙動変化を追跡する画期的な装置を試作することが出来た。今後、本RCP法による測定幅の改良を行うと共に、ゲル等のモデル食品の加熱中の変化を明らかにすると共に、大変形挙動の解析を行う予定である。
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