1993 Fiscal Year Annual Research Report
高専の設置基準改正にともなう従来にない新しい基礎専門科目開設の試み
Project/Area Number |
04558041
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Research Institution | MIYAGI NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
渡辺 宏 宮城工業高等専門学校, 基礎専門科目, 教授 (60004313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 真 宮城工業高等専門学校, 基礎専門科目, 教授 (40042262)
野本 俊夫 宮城工業高等専門学校, 基礎専門科目, 助教授 (50099769)
佐藤 次男 宮城工業高等専門学校, 基礎専門科目, 助教授 (90042259)
小野 尭之 宮城工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (30005342)
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Keywords | 高専教育 / 専門基礎教育 / 教育研究 / 総合科目 |
Research Abstract |
今年度は本研究の最終年度であり次のことを目標とした.すなわち、第1に総合科目である「基礎科学実験」の昨年度1年間の実践から問題点を明かにし、改善する.第2は本教科書を作ることである.本研究の1年目の昨年度は物理・化学・数学・情報処理を統合した「基礎科学実験」開設した.第1年目を終了した時点での学生の反応は概して好評り、この科目に対するねらいは学生に正しく受け止められていた.しかしながら改善すべき問題点として次のような点が残されていた. 第一に各テーマ毎に進められているテーマ実験と、引き続いて行われる数学の講義との有機的連係が必ずしも十分で無いために、実験と講義が独立のものとして捉えられる傾向にある.第二に情報処理においても実験データをコンピューターで解析するが、その結果を現象と関連して捉えていない.第三に物理・化学の実験についてはこの総合科目にふさわしいテーマを開拓することが必要である. 第一の点については、数学の講義の中で学生が実験によって得た結果を使った演習を加え、講義が一般論のみに始終しないように工夫すること、テーマ実験を踏まえた講義を行うなどの改善が試みられた.情報処理については出来合いのプログラムを実行するのみで無く、学生自身がプログラミングを実行する課題を加えることで改善が計られた.最後の新しいテーマの開発として、統計処理について一層進んだ実験を立ち上げる準備が進んだ.またテーマ実験として新たに化学実験の「施光計による蔗糖溶液の濃度の決定およびその転化速度の決定」が開発された. 最後に本年度の重要な課題の一つとしての教科書も発行出来ることとなり目標が達成された.
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[Publications] 松浦真,小野尭之,佐藤次男,高橋勉,野本俊夫,渡辺宏: "「物理」・「化学」・「情報処理」・「数学」を総合した専門基礎科目の実践報告" 論文集「高専教育」. 第16号. 21-25 (1993)
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[Publications] 渡辺宏: "「基礎科学実験」における数学の役割と内容について" 宮城工業高等専門学校研究紀要. 第29号. 77-80 (1993)
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[Publications] 野本俊夫,小野尭之,佐藤次男,高橋勉,松浦真,渡辺宏: "情報処理と物理化学実験及び数学を統合した新しい科目の実践報告" 平成4年度高専情報処理教育研究委員会 研究発表会論文集. 第12号. 1-4 (1992)
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[Publications] 佐藤次男,小野尭之,野本俊夫,松浦真,渡辺宏: "物理・化学・応用数学・情報処理を有機的に結合した「総合基礎科目」の実践報告" 日本工業教育協会平成5年度 工学・工業教育研究講演会講演論文集. 43-46 (1993)
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[Publications] 佐藤次男,小野尭之,野本俊夫,松浦真,渡辺宏: "数学・物理・化学・情報処理を統合した科目の実施報告" 平成5年度高専情報処理教育研究委員会 研究発表会論文集. 第13号. 54-57 (1993)
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[Publications] 野本俊夫,小野尭之,佐藤次男,高橋勉,松浦真,渡辺宏: "物理 化学 情報処理 数学を統合した新しい科目の実践報告" 平成5年度東北地区高等専門学校教官研集会. 26-29 (1993)