• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1993 Fiscal Year Annual Research Report

羅什訳経論の比較思想論的研究

Research Project

Project/Area Number 04610013
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

丹治 昭義  関西大学, 文学部, 教授 (00067555)

Keywords実相 / 法性 / 法界 / 十如是 / 空 / 般若波羅蜜 / 羅什 / ナーガールジュナ
Research Abstract

本年度は本研究の最終年度になるので、主として各々の経典や論書における諸法実相の用法や意味を再検討し、確定することに努めた。特にサンスクリット原典やチベット訳と羅什訳との実在観の異同を比較思想論的に明らかにし、文章にまとめることにも努めた。
『中論』のばあいは、実相と諸法実相の語のすべてについてその用法や意味を検討した。特に第18章は空の立場における諸法実相観を主題とし、体系的に論述しているので、その論述の順序に従って、諸法実相論がどのように展開されているかを跡付けた。その結果、原著書の実在観法性(dharmat〓)観には本性、本来性の意味が強いのに、羅什訳では実在の主体的実現が強調されていることが明らかになった。
『小品般若』では諸法実相とサンスクリットの対応語の検討と意味の異同を検討していた。諸法実相はこの経典では主にdharm〓n〓〓 dharmat〓の訳語として用いられ、意味も思想も原典のそれに変っていない。
『維摩経』では羅什訳の実相やチベット訳のdharmat〓とdharmadh〓tuなどの訳語の用法や意味を調査、検討した。その結果、この経典が同じ空の立場に立つとされているが、実在観では般若経と異なることが明らかになった。なお『首楞厳経』には実相の語が用いられていない。
『法華経』については実相、法性、dharmat〓,dharmadh〓tuを検討した。特に「方便品」において羅什が諸法実相論を導入、十如是として独自の思想を展開していることを詳しく考察した。
『大智度論』は大著で全体を体系的に整理する余裕がなかったので、上述の諸論書の諸法実相の思想と関連のある論述を中心に検討し、羅什の諸法実相論に与えたであろう影響について考察した。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 丹治昭義: "祇園精舎建立縁起の一考察" 祇園精舎(関西大学出版部). 1-38 (1994)

  • [Publications] 丹治昭義(共訳): "さとりへの遍歴上下" 中央公論社, 918 (1996)

URL: 

Published: 1995-03-23   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi