1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04630068
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Research Institution | Kobe University of Commerce |
Principal Investigator |
南部 稔 神戸商科大学, 商経学部, 教授 (00047490)
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Keywords | 商品 / 物資 / 社会主義市場経済 / 国営商業 / スーパーマーケット / インフレ / 流通革命 / 消費者主権 |
Research Abstract |
本研究では、中国の流通システムに関する制度改革の動向を整理しながら、消費財、生産財の生産→流通→消費の過程を具体的にフォローしている。中国では、現在、社会主義市場経済体制のもとで市場経済化が急速に進められているが、流通面ではいまだ行政的影響が強くあり、依然として遅れた状況にある。近年、旧い体制から脱却すべく、行政の関与を低下させながら国営商業部門の体質改善がはかられており、またその一部を個人経営者へリースすることも行なわれている。しかし、なんといっても注目されのが集団あるいは個人経営者の活躍である。しかも、ヤオハンに代表されるように外国企業による流通部門への資本進出が認められるようになっているから、流通革命の時期を予感させるものがある。目下、取り組んでいる課題である。 中国は建国以来、社会主義の原則を堅牢に守ってきたため、流通部門は大きく遅れており、それに関する学問もあまり進んでいないのが現状である。だが、市場経済化が進んでくれば、市場価格が導入されるようになり、経済的意志決定が多様化してくるため、流通部門に求められるところがどんどん大きくなってくるであろう。当然、インフレという社会的、経済的、そして政治的に厳しい問題とも密接にかかわってくる。このところを今後の課題として取り組んでいきたい。中国の今後の発展は流通分野の発展に依拠するところが大きく、そしてまたインフレに対してどのように対処していくかということと大きくかかわっているといっても過言ではないからである。
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