1992 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギー大運動量移行領域におけるD(e,e′p)同時計数実験
Project/Area Number |
04640281
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玉江 忠明 東北大学, 理学部, 助教授 (10124174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 明男 静岡大学, 教養部, 教授 (00022111)
今野 收 東北大学, 理学部, 助手 (90004449)
宮瀬 晴久 東北大学, 教養部, 教授 (40005822)
須田 利美 東北大学, 教養部, 助手 (30202138)
菅原 真澄 東北大学, 理学部, 教授 (30004287)
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Keywords | 相対論的効果 / 同時計数実験 / 液体重水素標的 / パルス・ストレッチャー / 多重散乱 / エネルギー損失 / 連続電子ビーム |
Research Abstract |
この実験はマサチューセッツ工科大学Bates研究所で建設の進んでいるパルス・ストレッチャーからの連続電子ビームを用いて、重陽子からの散乱電子と放出陽子を同時に測定することにより原子核反応における相対論的効果を調べる目的で計画されている。科学研究費補助金は主として、液体重水素標的容器の製作にあてられる。液体水素は危険物なので、その製作には十分の注意を要する。平成4年度は春に容器を試作して東北大学で耐圧試験を行ない、更に、日本学術振興会の援助で夏に数名の研究者が渡米した際にマサチューセッツ大学で安全試験を行なって問題のない事を確認した。帰国後、この結果をもとにして実験に使用する容器の製作を行なった。又、渡米中には、アメリカ側の研究者と実験の詳細について検討を行なった。実験の精度を決める要因としては磁気スペクトロメータや粒子検出器の性能、標的容器や検出器の窓での多重散乱やエネルギー損失、反応断面積やその角度分布にあった実験条件の選択等が考えられる。特に、多重散乱やエネルギー損失は重要なので、計算機によるシュミレーションを行ない、標的容器の形状や窓の厚さを決定した。また、パルス・ストレッチャーからの電子ビームのエネルギーが最初は設計値に達しない場合を想定して実験条件の再検討を行ない、ビーム条件に応じた最適な実験条件を探した。 これらの結果は報告書にまとめてBates研究所に提出し、実験が早期に実現出来るように要請した。
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