1992 Fiscal Year Annual Research Report
磁気的相互作用の弱いウラン三元系化合物の核磁気共鳴
Project/Area Number |
04640342
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小島 健一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00100975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高畠 敏郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40171540)
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Keywords | アクチナイド化合物 / ウラン化合物 / 三元系物質 / 重い電子状態 / 核磁気共鳴 / ナイトシフト |
Research Abstract |
この研究の目的はUを含むアクチナイド化合物の示す近藤効果や重い電子状態をミクロな立場から調べるため、磁気的相互作用の弱いウラン三元系を対象に核磁気共鳴の測定を行うことである。 平成4年度の研究計画は、U_3Ni_3Sn_4、 U_3Pt_3Sn_4の試料を作製し、NMR測定を行うとともに、U‐T‐X系(T=Cu、 Pt X=Sn、 In、 AI)について磁気転移温度が低く、かつ重い電子系を探索することであった。またs/n比向上のためオートデジタイザを購入し、T_1の測定の効率化を計ることも計画した。 これらの計画のうち、U_3Pt_3Sn_4のNMR測定では、^<119>Snのナイトシフトを4.2Kから 200K付近まで測定し、一応の成果得ることが出来たが、^<113>Snのナイトシフトのみの測定であり、またその温度領域も十分でない。これは測定装置のS/Nがまだ十分なものでないことを意味しており来年度はこの面の改善に取り組む。またPtの信号も4.2Kでは観測出来たが、信号強号が弱い。高畠によればU_3Ni_3Sn_4に比ベてU_3Pt_3Sn_4は作製が困難ということであるが、NMRの測定装置を改善することがこの点でも先決と思われる。T_1の測定に関してはオートデジタイザの購入により体制が整ったので装置の改善により、平成5年度には結果を得ることが出来る。またU_3Pt_3Sn_4のNMRと比較するためUPt_2Sn(Tn=64K)中のPtおよびSnのナイトシフトの測定も行い論文として発表することが出来た。 物質探索としては、U‐T_2‐X系を作製したが、重い電子系ではあっても低温で秩序状態が出現し、NMR測定に適した系は見いだせなかった。
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Research Products
(1 results)