1992 Fiscal Year Annual Research Report
地殼中における岩石内応力場の均一性に関する実験的研究
Project/Area Number |
04640396
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 清彦 東北大学, 理学部, 助教授 (90004390)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 尚之 東北大学, 理学部, 助手 (60224523)
三浦 哲 東北大学, 理学部, 助手 (70181849)
平澤 朋郎 東北大学, 理学部, 教授 (80011568)
|
Keywords | 変形率変化法 / DRA / 地殼応力 / 応力記憶 / カイザー効果 / 非弾性変形 / 弾性的不整合 / 不均貭媒貭 |
Research Abstract |
1.応力記憶の性質に関する実験 水圧破砕法による応力測定が行われたボーリング孔で採取されたコアを用いた実験を行い,以下の結果を得た. (1)地殼応力の値を記憶する性質を岩石が持っていると言うことを実証するために,DRAによる地殼応力の3次元測定を行った結果,得られた各方向の応力は地殼応力のその方向の法線応力成分と解釈して良いことが確かめられた. (2)水圧破砕法で得られた結果と応力値を比較した結果,よい一致を示す場合と一致しない場合があることが分かった.特に,水圧破砕法の結果に認められた最(大剪断応力/法線応力)の比の深さによる極端な相違は,DRAによる結果には認められなかった.この原因については検討中である。 海底下で採取された比較的空激率の大きな玄武岩コア試料にDRAを適用して, (3)地殼応力値は岩石の個体部分に記憶されている応力の値と岩石の空激にある流体圧と空激率の積との和で表されることが明らかになった. 2.岩石内応力場の均一化過程に関する実験 (1)一定の一軸圧縮応力を印加し続けた試料を再度一軸圧縮して,コンプライアンスを調べた結果,印加し続けた応力でコンプライアンスの低下が認められた.これは試料内の応力場が均一化され,試料の非弾性変形量が印加され続けた応力で小さくなることの一つの証拠と考えられる. (2)コンプライアンスの低下のはやさは試料に含まれる水分の量に関係しているように見える. 以上の結果は一軸圧縮試験によるものであるが,結果を普遍化するために,静水圧加圧容器を製作し,試料に一定静水圧を現在印加し続けている.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 山本 清彦: "コア試料を用いたODP Hole648Bの地殼応力推定実験" 月刊地球/号外. No.6. 66-71 (1992)
-
[Publications] Tamaki,K.: "Estimating Inーsitu stress field from baseltic rock core samples of Hole 794C.Yamato Basin,Japan Sea" Proe.O.D.P.,Scientific Results,. 127/128. 1047-1059 (1992)
-
[Publications] 山本 清彦: "DRAによるODP Hole 794C(大和海盆)の地殼応力の推定" 地球感星科学関連学会1992年合同大会 共通セッション・シンポジウム予稿集. 296-296 (1992)
-
[Publications] 山本 英和: "変形率変化法による次元地殼応力測定" 地球惑星科学関連学会1992年合同大会 共通セッション・シンポジウム予稿集. 61-61 (1992)
-
[Publications] 山本 英和: "非弾性歪からみた岩石の先行応力記憶の時間依存性" 地震学会講演予稿集. No.2. 267-267 (1992)