1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640560
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
土江 秀和 大阪市立大学, 理学部, 助手 (30137187)
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Keywords | 界面イオン移動 / 電流規制ポーラログラフィー / 金属フェナントロリン錯体 / トリフルオロアセチルアセトン / 液-液界面 |
Research Abstract |
金属フェナントロリン錯イオンの移動は、Ni^<2+>イオンについて詳細な研究を行なった。Ni-フェナントロリン系では、陽極波の観測できる条件が非常に限られていて、その制限された条件下で実験を工夫し、移動種を特定した。また移動のメカニズムを明らかにし、この系で陽極波が出にくい理由を説明した。この研究成果は、既に学会で発表したが、論文として公表すべく現在準備中である。 β-ジケトン類を用いた研究では、今回、トリフルオロアセチルアセトン(HTAA)を主に研究した。多くの2価金属イオンは、HTAAのみによっては、どのような条件でも、イオン移動による陽極波を与えることはなかったが、系にフェナントロリンを共存させることで、新たな陽極が現われた。そこでHTAAとフェナントロリンの共同効果について研究し、複数の移動種の存在を確認した。移動のメカニズムも詳細に検討し、多くの興味深い事実を発見した。成果の一部は学会で発表したが、近い将来、論文としてまとめたい。この系は今後も継続して研究する必要があり、多くの成果が期待できる。 もう一つの研究目的である吸着現象の解明については、未だ注目すべき成果は挙ってないが、今後も研究は継続する予定であり、またしなければならない。しかし、液-液界面のみを研究対象としていたのでは困難な問題点が多いため、新たな試みとして、水溶液相を氷らせた系、すなわち氷電極を用い、氷-有機相界面での吸着現象の研究も開始した。氷電極を用いた研究は、まったく新らしい研究で、吸着現象だけでなく、いくつかの興味深い現象も観測されている。
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