1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650052
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 光一 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60156437)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小紫 公也 名古屋大学, 工学部, 助手 (90242825)
|
Keywords | 乱流燃焼 / 希薄燃焼 / パルスジェット / 数値シミュレーション / 可視化 |
Research Abstract |
パルスジェットによる着火および燃焼は,希薄な混合気体の着火やNOx削減などに有力であるとされ,現在自動車エンジンなどに応用されようとしている。本研究は,自動車のプラグの大きさのパルスジェット発生装置によって,通常のプラグでは得られない燃焼条件下での着火燃焼を調べるとともに,パルスジェットの着火,燃焼機構の詳細を解明する。本年度は,装置の製作および着火限界と流体力学的機構の可視化の実験研究であるが,数値シミュレーションによる解析も行った。パルスジェット燃焼の装置では,パソコンによるパルスジェットの制御が重要な課題であったが,何回もの点火によって着火出来なかった実験が,コンピュータで制御することによって毎回着火するようになった。現在は,シュリーレンシステムを用いて,パルスジェットによる着火・燃焼を可視化している。数値解析による研究は,予定よりかなり進んでおり,パルスジェット燃焼器の副燃焼室ならびに希薄気体で満されている主燃焼室の燃焼を,二次元円筒対称ナビエ・ストークス方程式をTVD差分法を使って積分することでシミュレートした。過濃な酸水素混合気体で満たされている副燃焼室内で,上端,中間,下端の三ケ所において点火した場合,副燃焼室の未燃ガスがパルスジェットが発生する前にどれ程主燃焼室に流出するかなど実験では得られない情報が明らかにされた。また,副燃焼室の計算格子は最小で50μmの細かさのため,直接シミュレーション的な解が得られ,渦と火炎面との干渉の様子や副燃焼室内を上下する圧力波と火炎の干渉(バロクリニック効果)による火炎の変形の機構が明らかにされた。とくに,渦と火炎面との干渉では,完全な酸水素反応機構を使っているので,火炎面上でのOHの生成・消滅速度と流体力学との関係などが詳細に解明された。
|
-
[Publications] Hayashi,A.K.Hishida,M.: "Pulsed Jet Ignition Modeling with a Full Chemistry" Proceedings of the sixth Toyota Conterence on Turbulence and Molecular Processes in Combustion,Japan. (1992)
-
[Publications] Hishida,M.Hayashi,A.K.: "Numerical Simulation of Ignition and Combustion using a Premixed Pulsed Jet" Proceedings of the 18th International Symposium of Space Technology and Science. (1992)
-
[Publications] Hishida,M.Hayashi,A.K.: "Numerical Simulation of Pulsed Jet Plume Combustion" The Progress in Astronautics and Aeronautics,AIAA,in Press.(1993)
-
[Publications] 菱田 学,林 光一: "パルスジェット燃焼の着火過程に関するー考察" 第30回燃焼シンポジウム前刷集. 475-477 (1992)
-
[Publications] 菱田 学,林 光一: "パルスジェット燃焼における流れ場と反応の干渉の数値解析" 第6回数値流体力学シンポジウム前刷集. 29-32 (1992)
-
[Publications] 菱田 学,林 光一: "パルスジェットの乱流混合を用いた燃焼促進に関する数値解析" 日本機械学会第70期通常総会講演会前刷集. (1993)