1994 Fiscal Year Annual Research Report
累積疲労損傷を考慮した鉄筋コンクリート構造物の耐震安全性評価に関する研究
Project/Area Number |
04650523
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
前田 幸典 神戸大学, 工学部, 助手 (00116253)
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Keywords | 鉄筋コンクリート構造物 / 耐震安全性 / 地震応答解析 / 累積疲労損傷 / 復元力特性 / 終局変位 / 低サイクル疲労 / 電算機-アクチュエーターオンライン実験 |
Research Abstract |
コンピューター-アクチュエーターオンライン実験システムを使用して,鉄筋コンクリート構造物のオンライン地震応答載荷実験を行った。供試体として,1層1スパンの鉄筋コンクリート構造物模型を用いた。柱には最大耐力の1/3の軸圧をかけた。入力外乱として,Taft 1952 NS,El Centro 1940 NS,Sendai TH030 1978 NS,SCT1850919BLの加速度記録の時間軸を2倍にすることによって卓越周期を長くした波を用いた。また,柱には最大耐力の1/6の軸圧をかけた。オンライン実験の結果,次のことが明らかになった。 1.供試体の崩壊モードは,基本的には,柱頭・柱脚部のせん断圧縮破壊であるが,コンクリート強度の小さい供試体では,しばしば主筋に沿った付着ひび割れが発生し,寿命が延びる傾向にある。 2.Degrading Tri-linear型の復元力モデルによる地震応答解析結果は,よく実験結果と一致した。一致の程度は入力地震波の種類には依らず,構造物の設定モデルの固有周期が長いほど良い。 累積疲労損傷の定量的評価については,今までに行ったオンライン実験結果を統計的に見直した。西垣・水畑の提案した累積損傷評価式の信頼性を高めるために,信頼性を低くしている終局変位のバラツキの大きな要因であるコンクリート強度の評価式への導入を試みたが十分な成果を得られなかった。その要因として,復元力特性の負勾配において生じてい供試体の終局変位の大きさが,大きい柱軸圧をかけているために不安定になっていることが考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 日下部馨,安田拓矢,前田幸典: "土の非線形性を考慮した杭基礎-地盤系の振動特性" 第9回日本地震工学シンポジウム(1994). Vol.2. 1219-1224 (1994)
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[Publications] 前田幸典,日下部馨: "埋め立地に建つ建築構造物の地震応答特性" 第9回日本地震工学シンポジウム(1994). Vol.2. 1561-1566 (1994)
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[Publications] 前田幸典,日下部馨: "神戸ポートアイランドにおける地震観測" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B構造I. 403-404 (1994)